縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

別府ブルーバード劇場に行こう!

2018-10-20 17:30:16 | 別府の話
 旅先で映画というのもなんだが、先日別府に行った際、「別府ブルーバード劇場」で映画を観て来た。いつもの別府旅行は “温泉に入って癒される”、“美味しいものを食べる”が目的、それが今回はブルーバード劇場で映画を観ることが目的の一つになっていたのである。

 きっかけは10月4日(木)日経朝刊の文化欄の記事。「半世紀シネマとともに ~ 父から続く別府の映画館、87歳の今も独りで切り盛り」というタイトルだった。普段文化欄などほとんど読まないが、別府好き、映画好きの僕としては読まずにいられなかった。
 記事は、父親が残してくれた映画館を、一緒に盛り上げて行くはずだった夫が若くして亡くなった後、50年近く独りで守り続けて来た岡村照(おかむら・てる)さんの話である。照さんの映画への深い愛情、温かな想いが伝わってくる内容だった。また、50代から映写機の使い方を覚える、“寅さん”の撮影で別府に来ていた渥美清さんに直談判、2017年9月に初の映画祭を開催など、照さんの行動力、バイタリティには感服した。
 ビデオやネットで簡単に映画が見られる今、おまけに別府の人口は高々12万人しかいないし、映画館の経営は本当に大変である(実際、僕らがお伺いした際も、土曜日の午後なのに観客は僅か4人だった)。自社ビルだから何とかやっていけるのだと思うが、これからも照さんには映画を愛する人のために頑張ってほしい。そんな照さんを応援したいと、ブルーバード劇場に行くことにしたのである。

 ブルーバード劇場は昭和レトロな雰囲気がたっぷり。最近流行りのシネコンの華やかさなど微塵もない。写真は待合室であるが、昔懐かしい名画座のような趣き。上映される映画は、ロードショーが終わった映画かと思っていたが(照さん、ごめんなさい)、なんとミニシアター系の映画だった。東京で言えば、新宿武蔵野館やユーロスペースのような感じである。
 僕らが観たのは『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』という映画。自分とうまく折り合いが付けられない高校生の悩み、苦しみを描いた、大変面白い作品だった。若いうちは、誰でもコンプレックスがあり、傷つきやすいし、逆に不器用で人を傷つけたりもする。ときに自己嫌悪に陥る。この年になると、そんな感覚は次第に薄れ、鈍感になってしまった。が、ああ、そんなことあったな、わかるなと、青春の日々を思い出させてくれる良い映画だった。
 そうそう、ブルーバード劇場では、あの話題の『カメラを止めるな!』も上演されていたそうだ。

 11月23、24、25日の3日間、別府ブルーバード劇場では『第2回Beppuブルーバード映画祭』が開催される。お近くの方は勿論、寒さゆえ温泉が恋しくなる頃だし、ちょうどふぐの美味しい季節だし、遠方の方もどうぞお出掛けください。皆でとっても可愛らしい照おばあちゃんに会いに行きましょう!


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