25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

宗教、アメリカ

2015年08月29日 | 社会・経済・政治
ちょっと必要があってイスラム教についての本を、2冊読んだ。最終預言者と言われ、神の子ではなく、人間だとしたムハンマドの個人的な歴史や、イスラム教の発展の仕方、教義の内容を知ることができた。

産業革命をなし、ヨーロッパの帝国主義が世界にまかり通った時代に、アラブ諸国はオスマントルコの崩壊とともに、西洋の植民地となった。第一次世界大戦、第二次世界大戦を経て、近代国家へとイギリスやフランス、ロシアなどが国家の境界線を決めた。それは民族というものへの配慮に欠いた線引きであった。このことが今もアラブ世界に混乱を与えている。

その後はアメリカとソビエトの冷戦体制に組み込まれていった。ソビエトが崩壊すると、 10臆人イスラム教徒の1割を占めるシーア派はイランで、ホメイニ師を指導者とした革命を起こし、国王を追放した。
イスラム法にのっとったムハンマド以降300年間の領土に戻したいとするのがイスラム原理派である。イランは成功した。9割を占めるスンニ派は、過激派と国民国家を受けいれ、政教分離を容認して信仰心厚く、個人的生活において神の教えに敬虔に暮らし、西洋のよいところも受け入れて生きる人たちがほとんどである。
ムハンマドは商人であり、戦士のリーダーだった。砂漠のオアシス都市での戦国時代の最中に神の啓示を受けると、コーランは神の言葉そのものであり、これに絶対的に帰依(イスラム)して暮らすことが理想であるとした。

宗教の共通点は、仏教とて、キリスト教とて、イスラム教とて来世があると言うことである。神道はおもしろい。死んだものは神となるのである。この考えと唯一絶対の神を信じる宗教と折り合えずはずもないと思うが、日本では、仏教も、神道も、キリスト教も天理教も、金光教などの様々な宗教が寛容にも存在している。国民国家とはそのようなものであるが、別の側面から言えば、国民国家教のようなものもあり得る。アメリカは植民地だったから帝国主義の否定者であったが、いつの間にか、多分アメリカ人も大頭領も気づかぬうちに帝国になってしまった感がある。共和制でありながら、帝国主義的に海上ルートを制覇し、世界での生産量は25%にもなり、アメリカの経済関係は無視することのできないものとなっている。この国は本気で戦争などしたら負けるはずもないのに、テロを恐怖だと思っているのもおかしな心情だと思う。アメリカを滅ぼす戦争を仕掛けたわけでもないのに、膨大な資源を使い、アフガンとイラクを中途半端に攻めた。そのツケをオバマ大頭領、次の大頭領が背負わなければならず、やっと成果がでたのがイランとの和解であり、キューバとの和解である。
と、今日は僕の目から見た、世界情勢の一部を述べさせてもらった。