エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

松島や

2013年07月03日 | ポエム
松島や
嗚呼 松島や
松島や



この伝芭蕉作とされる駄句は、後年の観光用コピーである。



だがしかし、往事の芭蕉の感動は見事に伝えたのである。
松島を連呼するほどに・・・芭蕉翁は感動したと云うのである。



確実に言える事は、芭蕉は松島では句を詠まなかった。
奥の細道と云う、壮大な前書きを残したのみである。

弟子の曽良は、今でも人口に膾炙される名句を残した。



「松島や鶴に身を借れほととぎす」

である。
曽良は句が出来たが、私のほうは感動のあまり句が出来ない。
芭蕉はそう言っている。

松島は「造化の天工」とまで讃えている。
「その景色窅然(ようぜん)として、美人の顔を粧ふ」
感動が伝わってくる文章である。



この松島の一文は、象潟とあわせて名文とされている。

芭蕉翁が感動のあまり詠めなかった松島、である。
野人ごときが詠める訳などない。








「松島の島々透る風涼し」







だがしかし、初心者は臆面もなく詠んでしまう。
実に恐ろしい仕儀である。

芭蕉翁、許されよ!



       荒 野人