エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

蝉時雨

2013年07月28日 | ポエム
昨日の夕刻から、車軸を流す雨が来た。
凄まじい雨であって、生活を根底から脅かす雨であった。

隅田川の花火大会は、30分で中止。
浴衣姿の男女が、びしょ濡れで駅に向かった。
車の運転も、ままならない程の雨であって、ワイパーが殆ど効かない。

だがしかし、その豪雨の前は蝉時雨であった。



見上げれば「雲の峰」。
入道雲の事である。



視線を下ろせば「病葉」が・・・。
この中を探して「落とし文」を見つけようと思ったけれど、時間が無かった。
残念!

昨夕の雨は凄かったけれど、今の空気は涼しい。
洗いあげてくれたのだろうか。

窓を開ければ、涼風が通る。



白花の百日紅が目に涼やかだ。
不思議な感覚。



この赤い花だと、夏真っ盛り。
ぼくは、炎熱の下のヒロシマを連想する。

昨日雨の前。
近くの桜並木では「蝉時雨」であった。







「蝉時雨かまびすしさの極みかな」







そう・・・夏なのだから。
夕立もある。
けれど、昨日のゲリラ的豪雨は違う。

風情も何もなく、人の生活を脅かす。
団扇を仰いで、やり過ごす夕立であってほしい。



        荒 野人