エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

花筏

2014年04月07日 | ポエム
一昨日からの「花散しの雨」に、コンクリートで造成された都市部の川に花筏が流れる。
川底から、川辺まで、高々とコンクリートが穿かれている。
味も素っ気もない・・・とはこの事か。

だがしかし、その河川には枝からはなれた花弁が汚れる事も無く落ち流れる。
優しい流れである。

この桜に抱かれた河川は、氷川台駅のほど近句を流れている。
桜が蕊の季節になると、点々とあるいは固まって筏となり流れるのだ。



ぼくは、それが楽しくて花筏を撮影しに出掛ける。
殆ど、カメラを持った人はいない。



ぼくが、川面にレンズを向けているのを見て、覗き込む人もたまさか居られる。
きっと、何もない事に気づき落胆するのだろう。

何も聴かずに、立ち去るのが常である。






「花筏誰も座らぬ流れかな」







いましか見られない、花筏。



風流な事である。



        荒 野人