エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

宝鐸草

2014年04月30日 | ポエム
宝鐸草・・・「ほうちゃくそう」と読む。
祭りの季節、まことに縁起の良い花である。



銅鐸が、楽器の機能を色濃く保有していた時代。
弥生時代には、既に銅鐸が楽器として列島の主だった地域には流布していた。

もちろんアジア全域に、銅鐸の文化圏が広がっている。







「紐帯の音の広がり春大祭」







例えば、神域の坊の玄関には、この鐸が頭上に架かっている。
もちろん本殿には、凡そ鈴が下がっている。

鐸の場合、鐸を叩くのは紐帯(ちゅうたい)。
紐を結んだ部分を指す言葉である。

またぶら下がっている紐は、鐸紐(たくちゅう)と云う。

銅鐸は、この花のようにぶら下がっていて、その音色は大小で付けた。
楽器であったのだ。
その名残としての、花の名前である。

本来、お寺の堂の四隅の軒に下げた鈴に似ているから、命名されたのである。
理性が、良くコントロールされた方の命名であろうと思惟されるのである。

花言葉は・・・。
「追憶」「よきライバル」「嫉妬」「あなたを離さない」である。
情念が燃える言葉である。



      荒 野人