エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

花梨の花

2014年04月11日 | ポエム
淡淡とピンクの花が咲いている。
花梨の花である。



この花に良く似合うのは、この曲だ。









春に、一度は聴く。
心のスイッチが入るのだ。

花梨の花もまた、そうしたスイッチに触れるきっかけを与えてくれる。







「花梨の花懐紙に挟む風ひとつ」







春の花の中でも、花梨の花は淡淡としていながら深く鮮明に沁み入ってくる。
その、バランス感覚は艶かしくも鮮やかなのだ。



花梨の花の色は、臈たけた女性の佇まいである。
花は、枝葉に隠れるように咲いている。



秘するが花・・・。
本阿弥のいう「上花」とはこれである。

幽玄にして妖しいのである。



      荒 野人