エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

ひこばえ~孫生え

2014年04月16日 | ポエム
春の季語である。
生を慈しむ、美しい言葉である。



とりわけ、桜の黒い幹から枝葉が生まれる。
それはそれは、生きる事、生命力の神秘。
生へのパトスを掻き立てる、営みである。



ひこばえで句を詠む。
だがしかし、生命力の横溢した現象の前に佇むしかない。

この凄まじき命。
だがしかし、かそけき命。
儚なくも美しい命。



ぼくは、頭を垂れて乞い願う。
俳句の神様は、いつになったらぼくの上に降りてくるのだろうか?
と。







「ひこばえの瘤のあたりの熱のほど」







春の半ばにさしかかろうとする「風光る」侯である。



    荒 野人