餌金日記

金魚と川魚飼いの日常です、

作品の世界を助ける

2020-07-06 23:02:18 | 本と雑誌
木緒なち「すべては装丁内」読了。
なんですか、この私が考えつくような脱力系のタイトルは。と、思ったらしっかりしたお仕事系のお話でした。新人編集者の甲府可能子はようやく企画していた詩集の出版に漕ぎ着けました。イラストも決まったものの条件が厳しくなかなか引き受けてくれるデザイナーがいません。編集長から紹介してもらったデザイナーがすごく偏屈な人で。
当たって砕けろの可能子と仕事に厳しい装丁デザイナーの烏口のやり取りが面白いです。装丁がセンスよく字を並べるだけではないと言うのがわかりました(実は私もそう思っていた)。作者の方が現役のグラフィックデザイナー、それは仕事内容が真に迫っているわけです。でもこんなにオシャレでもどSでもないそうですが。