自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆北の武装船、日本海の一触即発

2019年09月21日 | ⇒ニュース走査

   イギリスBBCテレビのWeb版をチェックしていると、日本海で北朝鮮がロシアとせめぎ合っている。「Russia holds 80 North Koreans on 'poaching' boats」の見出しの記事=17日付・BBCニュースWeb版=によると、ロシアの国境警備隊が今月17日、日本海のロシアの排他的経済水域(EEZ)で北朝鮮の密漁船2隻をだ捕し、乗組員80人以上を拘束したと発表した。ロシア側の説明によると、密漁船1隻から武力攻撃を受け、国境警備隊3人が負傷したという。

   ロシア連邦保安局(FSB)報道官はだ捕の経緯について、朝鮮半島とロシア、日本の間に位置する、日本海の好漁場「大和堆」で、北朝鮮のスクーナー(帆船)2隻とモーターボート11隻が密漁しているのを発見したと説明。さらに、ロシア外務省は北朝鮮の駐ロシア臨時代理大使を呼び出し、「深刻な懸念」を表明した。ロシア・インタファクス通信は、FSBの話として、拿捕された漁船は極東ナホトカ港に連行されたと伝えた。

   ロシアと北朝鮮がこの海域で争うのは今回が初めてではない。FSBは今月12日にもロシアのEEZでイカを密漁したとして北朝鮮の漁船16隻を拿捕し、250人以上を拘束したと発表していた。今年6月には、北朝鮮がロシア漁船をだ捕し、乗組員を逮捕した。北朝鮮側は今回のだ捕についてコメントしていない。

   懸念するのは北朝鮮の船の武装化だ。8月23日には、大和堆で武装した船員が乗った北朝鮮の船2隻を水産庁の取締船が見つけ、連絡を受けた海上保安庁の巡視船も駆け付けた。現場は日本のEEZ海域だった。北朝鮮海軍らしき旗を掲げた不審船は、小型高速艇と北朝鮮の国旗が船体に描かれた貨物船で、高速艇には小銃を持った船員がいたという。周辺では日本の漁船も操業していて、水産庁は漁船に対し、安全確保のため海域を離れるよう伝達した。日本海は一触即発の緊張感が漂っている。

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