自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆重くのしかかる雪、そして「五輪のスタック現象」

2022年02月22日 | ⇒トレンド探査

   きょうは「2022年2月22日」、まさに2のぞろ目の日。朝起きると、自宅周辺は積雪が32㌢ほどになっている。昨夜9時ごろの積雪10㌢ほどだったので、ひと晩で20㌢余り積もった。庭の五葉松の枝にも雪がずっしりと積もっている=写真=。雪吊りを施しておいてよかったと思う。金沢地方気象台は大雪警報が出ている金沢市に「顕著な大雪に関する気象情報」を発表した。今夜にかけてさらに積雪が見込まれる。

   この気象情報が出され、市内でよく目にするのが道路でのスタック(立ち往生)だ。スタッドレスタイヤを装着していても、わだちにはまり、車の底が雪上に乗り上げて立ち往生する。車の「最低地上高」、つまり地上面から自動車の最も低い所までの垂直距離は道路運送車両保安基準で9㌢以上と定められている。積雪10㌢ほどであれば問題なく走れるが、積雪30㌢となるとスタックによる交通障害が発生する確率はかなり高くなる。

  前書きが長くなった。きのうのブログでIOCは公的な国際組織ではなく、非政府組織 (NGO) の非営利団体 (NPO)なので、国連機関に所管を委ねる方向で検討すべきではないだろうか、と述べた。けさ届いた「月刊ニューメディア」編集部ゼネラルエディターの吉井勇氏からメールマガジンは、オリンピックそのものの開催意義について疑問を呈している。以下その要約。

   東京の夏に続いて北京の冬と、アジアで連続した2つの五輪。ある新聞で、偉業ではなく「異形」という形容を使っている。そんな感じ(漢字)がピッタリだった。東京五輪は、都民や国民に数兆円の赤字を残している。これは開催都市が負担するのか、開催国が責任を持つのかという問題を残しながら、日本国民の負債となっている。負債だけが残され立ち往生、まさにオリンピックのスタック現象ではないか。開催したIOCはスポーツの民間団体で、本来そこが第一義的に負担すべき負債だと思う。ところが、「招致」というマジックで開催国や都市に責任がすり替えられている。

   こうした議論もなく、札幌に再び冬季大会を、という動きがある。1972年の札幌五輪は巨額の税金を使って日の丸飛行隊を応援した。この赤字開催の見通しを見て、アメリカのデンバーでは76年開催が決っていたものの、住民投票では反対多数で開催を否決した。そこで、オーストリアのインスブルックに急きょ開催が決まった。また、2024年のパリ開催は決まっているが、立候補を表明していたドイツのハンブルグやローマ、ブタペストでは住民の反対が強く撤退したのだ。28年のロス、32年のブリスベンも競争相手の都市がなくすんなりと決まったように思われているが、他の都市は住民の反対で立候補に至らなかったというのが実情だ。世紀の祭典は世界各地で「ノー」が突き付けられている。

   こうした報道が日本で少ないのは、メディアの立ち位置も関係している。オリンピックがあれば、NHKと民放が「ジャパン・コンソーシアム」を組んで放送する。新聞社も東京大会のケースだが、朝日、毎日、読売など大手6紙が協賛社として名を連ねている。では、今後メディアは札幌五輪の再誘致にどのように向き合うのか。

⇒22日(火)午前・金沢の天気     ゆき

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