自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★境内に白ヒガンバナが咲き競う 神棚に供えるサカキの9割外国産

2024年09月30日 | ⇒ドキュメント回廊

  近所のお寺の境内を夕方歩くとライトアップされたヒガンバナ(彼岸花)が咲いていた。ヒガンバナというと、赤い花というイメージがあるが、この寺のヒガンバナは白い花で知られる=写真・上=。40年ほど前に白い花が咲いていたのを檀家衆が株分けして数を増やしていったという伝えがある。そのせいか、花だけでなく境内も整備されて、ちょっとした「お寺の公園」というイメージだ。  

  ヒガンバナは割と好きな花だ。ヒガンバナの花言葉は「悲しき思い出」「あきらめ」「独立」「情熱」。秋の彼岸に墓参りに行くと墓地のまわりに咲いていて、故人をつい思い出してしまう。「悲しき思い出」を誘う花だ。植物に詳しい友人から、かつてこんな話を聴いた。ヒガンバナは茎にアルカロイド(リコリン)という毒性がある。昔の人は死体を焼かずに埋葬した。そこで、犬が近づいて掘り返さないようにと毒性のあるヒガンバナを墓地に植えたのだという。犬よけの花でもある。

  植物の話をもう一つ。サカキは、古くから神事に用いられる植物であり、「榊」という漢字があてられる。家庭の神棚や仏壇に供えられ、月に2度ほど取り替える習わしがある。能登産のサカキが、金沢市内では一束150円ほどで販売されている。ところが、コンビニやス-パーなど市場に出回っているサカキの90%以上は中国産だといわれる=写真・下=。サカキは普通に家庭の庭先に植えられていたり、金沢の里山でも自生している。それをなぜあえて「中国産」を販売しているのか。確かに、値段は国産のサカキの方が少し高いが、輸入品は防疫の消毒液がかかるため、長持ちするのは国産だといわれている。

  中国など外国産のサカキを神棚に供え、合掌することに違和感を持つ世代はもう少数派になったのだろうか。

⇒30日(月)夜・金沢の天気    くもり

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☆「よそ者、若者、ばか者」石破新総裁の持論で国難を突破してほしい

2024年09月28日 | ⇒ドキュメント回廊

  きのう(27日)の自民党総裁選の様子をNHK中継番組で視ていた。午後3時22分、「石破茂君を当選者と決しました」。拍手が起こると、石破氏は立ち上がり、手を上げて応えていた。そのとき、スマホにニュース速報が流れてきた。円高が進み1㌦=142円とのこと。高市氏との決選投票が決まった段階では円安が進み1㌦=146円だったのに、石破氏の大逆転と同時に円高に。この荒い値動きはいったい何だ。株価をチェックすると、午後3時で903円上がり、日経平均は3万9829円で取引を終了していた。総裁選が最終決着する前の株価だ。ということは、週明けの日経平均は大幅下落なのか。一瞬、そんなことが脳裏をよぎった。

  株価と為替の話はさておき、石破氏に一度だけインタビューしたことがある。金沢大学の教員だった2016年2月、学生に地方創生を理解してもら教材ビデオを制作していた。当時地方創生大臣だった石破氏が講演に金沢市を訪れた折に申し込み、単独インタビューに応じていただいた=写真=。

Q:地方創生にはどのような人材が必要なのですか
石破氏:昔から地域を変えるのは「よそ者、若者、ばか者」と言われ、外から新鮮な目で見ることが一つの要素なんです。若い感性とは、たとえばPCが使える、外国語が使えること。ばか者はこれまでの既成概念にとらわれない新しい考え方を持つこと。学生はそのすべてを持っている人が多いし、チャレンジ精神旺盛な方を求めたい。

Q:地域で活躍する若者に対して期待することは何ですか
石破氏:地方は東京と違い、行政との距離が近い。地域の特性を最大限に活かして金沢の大学が未来を作っていくのか。この国の未来は「学生」に創ってもらわないといけない、今はそんな時代です。明治維新など、歴史の変わり目に常に若者がいるというのはそういうことなんです。

Q:地域の大学に期待することは何ですか
石破氏:「象牙の塔」にならないこと。大学が持つ本来の真実を探求する心は忘れないでほしい。今は「地方が日本を変える時代」、その責任感や使命感、学生にはそんな感性を持って欲しい。

  10分足らずのインタビューだったが、石破氏は淡々と答えた。無駄のない、理路整然とし、そして奥が深い内容だった。冒頭での「よそ者、若者、ばか者」は意外な言葉だったが、印象的として残り、納得もした。「言葉は人柄を語る」である。顔の表情を変えずに、5回も総裁選にチャレンジして得ることになった総裁=総理の座。石破氏は自ら「ばか者」ぶりが発揮できたと自負しているのではないだろうか。

⇒28日(土)午前・金沢の天気   くもり

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★12月に「強雪」また来るのか 能登に続く大雪、地震、大雨の猛威

2024年09月27日 | ⇒ドキュメント回廊

  この冬も大雪なのか。日本気象協会の「3か月予報」(今月24日発表)によると、「12月は平年に比べ曇りや雨または雪の日が多いでしょう」とある。さらに、同協会の気象予報士は「12月になると、冬型の気圧配置が強まる時期がありそうです。特に初冬期は海面水温が相対的に高く、上空に強い寒気が南下すると雪雲が急速に発達するでしょう。シーズン最初から局地的な短時間強雪に注意して下さい」と呼びかけている。

  解説によると、日本近海の2023年までのおよそ100年間にわたる秋(10-12月)の海域平均海面水温(年平均)の上昇率は、+1.45℃/100年となる。これを海域別に見ると、日本海中部が+2.21度、日本海南西部は+1.77度となっている。つまり、日本海中部や日本海南西部の海面水温の上昇率は、世界全体や北太平洋全体で平均した海面水温の上昇率のおよそ2〜3倍と大きくなっている。大陸で冬型の気圧配置が強まり、強い寒気が日本海に南下すると、雪雲が急激に発達し、局地的な短時間強雪になりやすい。12月の大雪は過去3年間続いている。2023年12月22日には北陸に「顕著な大雪に関する気象情報」が発表され、輪島では24時間の降雪量が53㌢と12月の観測史上1位を更新する短時間強雪となった。

  去年のブログでもこの大雪のことを記している。「雪による被害が出ているのは能登地方だ。半島尖端部にある輪島市や珠洲市ではきょう午前で50㌢余りの積雪となっている。大雪で倒れた木や電柱が道を塞ぎ、車で行き来できなくなっており、180世帯が孤立化した。また、停電が2200戸余り、凍結による断水なども起きている。地元紙のきょうの朝夕刊によると=写真=、道路での倒木の撤去に時間がかかるため復旧の見通しは立っていないところもあり、輪島市などではまだ170世帯余りの孤立状態が続いている。同市は要望に応じ、食糧や毛布といった救援物資を届けている。停電などは一部復旧したものの、2100戸で停電が続いている」(2023年12月23日付、写真も)

  輪島市と珠洲市など能登は大雪に見舞われ、その後10日目の元日に最大震度7の能登半島地震があった。大雪、地震、大雨と自然猛威が続いて来た。大雪はこの冬も繰り返すのか。

⇒27日(金)朝・金沢の天気    くもり時々はれ

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☆記録的な大雨から6日目 小中学校で授業再開 不明者の捜索続く 

2024年09月26日 | ⇒ドキュメント回廊

  今月21日から22日にかけて能登半島の北部で降った記録的な大雨で輪島市内の小中学校12校は臨時休校となっていたが、そのうち10校はきょうから授業を再開した。床上浸水など被害が大きかった同市町野町の小中2校の授業再開は来月1日以降となる見通しという(26日付・地元メディア各社のニュース)。

  記録的な大雨による死者は輪島市9人、珠洲市2人の合わせて11人となった。行方や安否が分からない人が4人いる。このうち川が氾濫して4軒の住宅が流された輪島市久手川町の塚田川周辺では14歳の女子生徒が流され、連日、警察や消防、自衛隊がおよそ430人の態勢で捜索を行っている=写真=。

  大雨で大きな被害が発生していることから、天皇、皇后両陛下の長女愛子さまが今月28、29日に能登半島地震の復興状況を視察される予定だったが取りやめとなった。地元メディア各社が伝えている。愛子さまは仮設商店街や和倉温泉など視察し、復興に向けて取り組む住民と交流する予定だった。愛子さま単独での地方公務は能登が初めてとなると地元メディア各社は注目していたが、大雨で流れた。

  そんな中、石川県の馳知事のひと言がまた物議をかもしている。今月24日に開催された県の災害対策本部会議で、馳知事が「1日も早い復旧のためには、ボランティアのみなさんのお力が不可欠」と訴え、「泥かきなどのボランティアを大規模で投入する必要があると痛感した」と述べた。この「投入」という言葉は不適切ではないか、ボランティア軽視ではないか、と。

  馳知事とボランティアは相性が悪い。ことし1月10日の記者会見で「個人的なボランティアは2次被害に直結するので控えてほしい」と訴えた。知事は被災地へ向かう道路事情が悪く、個人的なボランティアで自家用車で現地に行くと渋滞に巻き込まれ、救急車や消防車の往来にも支障をきたすのでしばらく控えてほしいという意味で述べたのだが、いつの間にか「ボランティアは自粛」「行かないことが支援」の言葉が独り歩きを始めた経緯もある。

  馳知事にはボランティア軽視の気持ちはないかもしれないが、「投入」という言葉は自らの指揮命令で人を動員するときに使う言葉なので、ボランティアをコマのように扱っているとみられるだろう。

⇒26日(木)夜・金沢の天気  はれ

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★「能登の再難」水害拡大させた地震、豪雨、そして流木による無慈悲な連鎖

2024年09月25日 | ⇒ドキュメント回廊

  先日(今月22日)、記録的な大雨の現場となった輪島市を巡った。同市門前町浦上地区での被災現場で地元の人たちが語っていた言葉が印象的だった。元日の地震で自宅が半壊し仮設住宅で生活しているシニアの男性は、今回の大雨で大量の流木が押し寄せて集落地区そものものが半壊状態=写真・上=となったことに、「神も仏もない」と涙ぐんでいた。たまたま、話を横で聞いていて自身も胸が痛くなった。災難が2度やってきて、なすすべなく悲嘆にくれる心境を感じた。

  けさの地元メディアの報道によると、能登半島の北部、奥能登を中心とした大雨でこれまで死者は9人、行方や安否が分からない人が6人いる。また、土砂崩れで道路などが寸断されて孤立している集落が46ヵ所・367人に上る。また、停電は2860戸。この停電の影響による水道施設の停止や水道管の破裂などで5216戸で断水となっている。

  21日の大雨は予想外だった。気象台の予測では、能登地方は24時間で150㍉の雨だったが、実際に降った雨は輪島市で午前8時から午前11時の3時間で220㍉、まさに「ゲリラ豪雨」だった。気象庁は21日午前10時50分に輪島市と珠洲市、能登町に大雨の特別警報を出したが、河川が一気に氾濫するなど手遅れの状態だった。22日午後10時までの48時間雨量は輪島市で498㍉、珠洲市で393㍉と平年の9月1ヵ月分の雨量の2倍余りに達した。

  冒頭の話に戻る。22日午後に輪島市を巡って見えたことは、山間地での流木の怖さだった。元日の震災で地盤が緩み、その後の大雨で山の中腹では土砂崩れが起きたのだろう、流木が人里にもなだれ込んでいた=写真・中=。流木の流れ落ちる角度が少し違っていれば、民家を直撃したに違いない。

  これらの流木は河川の下流で橋脚などに当たり、積みあがって今度は「ダム化」=写真・下=して、橋の周囲の街並みに広範囲に水害をもたらした。まさに、地震と豪雨が連鎖し、その媒体としての流木が水害を拡大させた。「神も仏もない」、まさに天地からの無慈悲な連鎖の構図が現地で見えてきた。

⇒25日(水)夜・金沢の天気    はれ

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☆「能登の再難」元日地震と記録的な大雨合わせ避難者1356人に

2024年09月23日 | ⇒ドキュメント回廊

  大雨に見舞われた輪島市の被災地を見て回り、痛ましく感じたことがいくつかある。その一つが、元日の地震で自宅が全半壊したため仮設住宅に入り、さらに今回の大雨で床上浸水の災害を被り、再び避難所生活に戻る被災者の人たちの心情だ。輪島市門前町浦上地区の仮設住宅を訪れた。仮設住宅の住人に話を聞いた。山でがけ崩れが起き倒木が大量に発生した。近くの浦上川が決壊し、流木が次々と流れ着き、集落近くの橋梁にぶつかってたまり、まるで「土砂ダム」と化した。

  仮設住宅は河川の近くにあり、床上浸水の状態となった=写真・上=。ただ、橋の下流にあるので、流木が流れてきて仮設住宅を直撃するということは免れた。話をしてくれたシニアの男性は「仮設住宅は助かった方だ。この橋の上流はひどいことになっている」と。その話を聞いて少し上流に上がると、流木が押し寄せていた。流木が民家にぶつかり、壁などがゆがんでいた。軽トラック2台も流されてきたのだろうか。電柱が倒れ、一帯では広範囲に流木や泥があふれていた=写真・下=。

  男性は震災で仮設住宅に入った。今回の水害では周囲は泥であふれた。避難所から通って仮設住宅の泥を除去することが「当面の仕事だ」と話した。泥のにおいが一帯に立ちこめていた。

  最大震度7の地震、そして記録的な大雨。能登半島は「災難」、そして「再難」に見舞われた。石川県まとめによると、大雨による死者は23日現在で輪島市6人、珠洲市1人の計7人。避難者は計1088人(輪島市730、珠洲市243、能登町102、ほか13=22日午後4時時点)に上っている。能登半島地震での避難生活(地元での1次避難)も続いていて、計268人(輪島市72人、珠洲市145人、志賀町51人=9月17日時点)が避難所に身を寄せている。地震と水害を合わせ1356人となる。

⇒23日(月・振休)午後・金沢の天気    はれ時々くもり

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★ニュース悲喜こもごも 能登に記録的な大雨被害 大の里優勝で大関昇進へ 

2024年09月22日 | ⇒ドキュメント回廊

  能登が記録的な大雨に見舞われた。秋雨前線や低気圧の影響で線状降水帯が発生し、気象庁は21日、輪島市と珠洲市、能登町に大雨の特別警報を出した。きょう22日午後10時までの48時間雨量は、輪島市で498.5㍉、珠洲市で393.5㍉と平年の9月1ヵ月分の雨量の2倍余りに達した。土砂崩れによる道路の寸断が相次ぎ、孤立集落は輪島市で99ヵ所、珠洲市で13ヵ所、能登町で3ヵ所の計115ヵ所にも及んだ。特別警報はきょう午前、警報に切り替えられたが、各地で河川が氾濫し、痛々しい爪痕が残った。

  きょう午後、輪島市の災害現場を見て回った。同市内の中心部を流れる河原田川に架かる姫田橋では、橋が架かっていた道路の片側が崩れた状態で、橋の3分の1ほどが崩落してなくなっていた。同市久手川町を流れる塚田川では住宅4棟が流され、4人が行方不明になったとして、警察と消防、自衛隊などが捜索に当たっていた。上流でがけ崩れが起き、大量の流木が橋にかかり、土砂ダム状態になった=写真・上、22日午後4時3分撮影=。そのほか、山の斜面が崩れている場所も散見され、中には宅地に向かって土砂や木が流れ込んでいるところもあった。

  大雨の被害には気が滅入るが、心和むニュースもある。夕方、能登から金沢に戻る車の中で、大相撲秋場所の千秋楽の取り組みをラジオで聴いていた。石川県出身の関脇・大の里は残念ながら敗れたものの、13勝2敗の成績で2回目の優勝を果たした。大の里の大関昇進に向けた臨時の理事会が今月25日に諮られることが決まったことから、大関昇進が確実になったとアナウンサーが伝えていた。(※写真・下は、大相撲秋場所で優勝を果たし、大関昇進が確実になった関脇・大の里=石川県津幡町公式サイトより)

  優勝インタビューで今場所の好調の要因について聞かれた大の里は師匠で元横綱・稀勢の里の二所ノ関親方のおかげだと答え、「部屋で親方の胸を借りてたくさん稽古をつけてもらった。その成果が出てよかった」と。さらに、地元石川の能登の大雨について聞かれると、「大変な状況になっているのをきのうニュースで見てびっくりした。絶対優勝を決めて明るい話題を届けたいと思っていたし僕の優勝で元気になってくれれば」と答えていた。石川出身の大関昇進は出島に次いで25年ぶりとなる。まだ24歳、これからの伸びしろに注目。

⇒22日(日・秋分の日)夜・金沢の天気   くもり

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☆能登に「大雨特別警報」リスク 輪島市で1万8千人に避難指示

2024年09月21日 | ⇒ドキュメント回廊

  停滞している秋雨前線の影響できょうから能登半島を中心に強烈な雨が降っている。気象庁はさきほど、21日午前11時前に能登に線状降水帯が発生し、非常に激しい雨が同じ場所に降り続いているとして「大雨特別警報」を発表した。気象庁によると、輪島市中部付近では、レーダーによる解析で午前9時10分までの1時間におよそ120㍉の猛烈な雨が降った。また、ウエザーニューズの雨雲レーダー(午前9時00分時点)を見ると、日本海に伸びる秋雨前線の周辺では雨雲が発達し、その一部が能登半島にかかって線状降水帯となっている。輪島市のアメダスでは9時00分までの1時間に98.5mmの観測史上1位となる猛烈な雨を観測した。

  輪島市や珠洲市では河川が氾濫。元日の能登半島地震で山間地などで地盤が緩んでいることから、輪島市は大雨で土砂災害が発生する危険性が非常に高まっているとして、市内の12地区の8867世帯、1万8180人に避難指示を出した。「避難指示」は5段階の警戒レベルのうち警戒レベル4の情報で、危険な場所から全員避難するよう呼びかけている。この雨はきょう正午からあす正午までの24時間で能登に100㍉が予想されている。

  写真は7月6日に撮影した輪島市の山間地の様子。民家の裏山では地震で山が崩れがけ地と化しており、大雨でさらに土砂災害の危険性もはらむ。能登ではこのような裏山が崩れているところがいたるところにある。また、川べりの民家の場合、下流で山の土砂崩れが起きると「土砂ダム」が出来て住宅が水没することにもなる。そして、大雨で心配されるのはため池の決壊だ。能登半島は中山間地での水田が多く、その上方にため池が造成されている。半島全体で2000ものため池があると言われている。地震でため池の土手に亀裂などが入っていると、急に雨量が増すことでため池が決壊する可能性がある。こうなると、下流にある集落に水害が起きる。

  ため池は共同所有と個人所有があり、それぞれに管理が行われている。ところが、個人所有の場合だと世代替わりでため池の存在すら忘れ去られていることが多い。ため池を放置すれば土砂崩れや水害のリスク、「ため池ハザード」が広がる。もちろん、この問題は能登だけではない。大雨になると、日本中の山のふもとにある集落ではこのようなリスクを背負う。

⇒21日(土)午後・金沢の天気   あめ時々くもり

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★「猛打賞」を贈りたい 大谷翔平、パウエルFRB議長、兵庫県議へ

2024年09月20日 | ⇒ドキュメント回廊

  「猛打の大爆発」とも言える快挙だ。大リーグ、ドジャースの大谷翔平が19日(日本時間20日)、敵地マイアミでのマーリンズ戦で3打席連続ホームランを含む6打数6安打10打点と猛打を振った。2盗塁も決めてMLB史上初となる50本塁打、50盗塁の「50ー50」の偉業を達成した。けさからNHKをはじめTVメディアやネットメディアが大騒ぎとなっている。

  テレビニュースで視ていると、5打席目の7回で大谷が50号本塁打を放った瞬間、観客席は総立ちになって大歓声を上げ騒然となった。そして、6打席目の9回で3打席連発となる51号を。「50-50」を超えて「51-51」に到達した。スタンディングオベーションは鳴りやまなかった。歴史的瞬間に立ち会った歓喜とは、このことなのだろう。(※画像は、MLB公式サイトで掲載されているの大谷翔平の「50ー50」の偉業達成の記事)

  猛打と言えば、アメリカのFRB(米連邦準備理事会)が、0.5%の大幅利下げに踏み切ったことも強烈だった。大幅な利下げは、当初「それほど景気が悪いのか」というマイナスイメージだったが、パウエル議長が金利決定発表後の記者会見で述べたひと言葉がそれを逆転させた。「The U.S. economy is in a good place, and our decision today is designed to keep it there」(19日付・ニューヨークタイムズWeb版)。意訳すると、「アメリカ経済は良好な状態にあり、きょうの我々の決定はそれを維持するためのものだ」と。これによって、アメリカ経済のソフトランディングへの楽観論が広がり、景気悪化と読んでいた投資家が売りから一転して買い戻し、IT企業株など中心に株価は3日ぶりの最高値を更新した。

  確かに、アメリカの直近の小売売上高(17日発表)は市場予想を上回り、労働市場も軟化はしているものの、多数の失業者が発生するといった状態ではない(日本のメディア各社の論評より)。逆にこれが言葉足らずで経済の悪化と国民に印象付けていたら、11月の大統領選にも影響を及ぼすのかもしれない。

  意外な猛打もある。パワハラ疑惑などを告発する文書について「うそ八百」と決めつけて文書を作成した県庁の局長を懲戒処分とした兵庫県の斎藤知事に対する不信任決議がきのう(19日)県議会で全会一致で可決された。86人の全議員が知事に「ノー」を突き付けたカタチだ。知事は10日以内に辞職か議会解散を迫られるが、知事が解散カードを切った場合は県議は選挙戦に追い込まれる。まさに、「もろ刃の剣」だ。それでも、総意と覚悟を持って県議全員で知事を追い込んだ。忠臣蔵の赤穂浪士四十七士を想起させる行動だ。見事だ。

⇒20日(金)午後・金沢の天気   はれ

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☆崩れたトンネル内にトンネル 逆転の発想で車の走行と復旧工事が同時可能に

2024年09月19日 | ⇒ドキュメント回廊

  元日の能登半島地震では13万6000棟におよぶ住宅の全半壊や部分破損、山の土砂崩れ、海岸の隆起や沈没などのほかに、道路の崩れがいまも随所にある。半島を縦断する自動車専用道路「のと里山海道」が今月10日に全線での対面通行が可能になったものの、国道249号など幹線道路ではトンネル内部の崩落などで通行止めとなっているところもある。その現場をめぐっていると、修復現場で「逆転の発想」を感じることがある。

  その一つが輪島市の白米千枚田に近い国道249号での現場。国交省能登復興事務所は土砂崩れで寸断された国道の海側が隆起していることに着目し、海側の地盤を活用して道路を新設した。新しい道路の延長は800㍍で、うち海側430㍍で幅6㍍の2車線。山と海の両サイドに高さ3㍍の土嚢を積んで山からの崩落と高波の影響を防いでいる。この道路は5月のGWに供用が開始された。

  同じ国交省能登復興事務所が手掛けている輪島市の国道249号「中屋トンネル」の復旧工事も逆転の発想なのかもしれない。なにしろ、トンネルの中にトンネルを造って、工事を進めると同時に車が通れるようにするという。同事務所公式サイトに掲載されている「記者発表資料」(9月10日付)によると、トンネルの長さは1.3㌔だが、コンクリートの内壁などが崩れたため、940㍍にわたって補修工事が続いている。このうち、6ヵ所に「鋼製プロテクター」(防護壁、高さ3.8㍍、幅4㍍)を設置することで、トンネル本体が工事中でも車が通れる空間を確保するという。今月25日正午から緊急車両や地元住民の車に限って通れるようになる。(※写真は、国交省能登復興事務所の今月10日付・ニュースリリースで掲載されている中屋トンネル内のプロテクター)

  当面は1車線の交互通行となるが、復旧工事を進めて年内には2車線通行を目指すという。トンネルの内部に四角い小さなトンネルを設け、トンネル本体の補修を進めながら、車の通行を可能にするという珍しいこの工事は、きのう(18日)現地で地元住民のための見学会を開催して説明した。逆転の発想もさることながら、被災地の人々への丁寧な対応にも納得がいく。

⇒19日(木)夜・金沢の天気    あめ時々くもり

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