旅館で連泊するお客さまには、毎日どんな食事を出すのだろう。
わたしは泊ったことはないけれど、作家の先生が1ヶ月くらいはあるだろう。
結局、家庭料理のようなものを出すのではないだろうか。
毎日、毎日、フルコースのようなものでは、うんざりするに違いないから。
ホテルのレストランにしたって同じこと。
結局、あっさりとした単品メニューをとるのではないだろうか。
わが家は、老妻と二人っきりの民宿のようなもの。
泊り客が誰も来ない民宿。
一年中長逗留のお客さまに、食事をつくってお出しする。
あるじもいっしょにお相伴する。
家庭で食事を作るってことは大変なことだなあ。
連泊のお客さまに、飽きないようにつくるのだから。
それも、献立づくりから買い物・調理・後片付けまで。
全部一人でこなしてしまうのだから。
よほどの、創造力と忍耐力がなければ成し得ないワザ。
主婦にその役割をさせてきた、世の中の仕掛けってすごいなあ。
仕掛け人は、誰だったのだろうか。
主婦が、いやだよう~、代わって~と、言い出す気持ち、分かる分かる。
しかし、食わなければ生きられないのだから、
生きるってことは食うことだ、って思ったら、食に執着してやろう・・
そうすれば、作らねばならないという呪縛から解放されるに違いない。
と、そんなことを思った。
明日っからまた、「連発のお客さま!今日はこんなお食事いかがでしょうか?」
寒い日、暖かい日、雨の日、晴れの日、気分で献立が浮かんでくる・・・
そうなったら、家庭料理の達人の域、ではなかろうか。
本屋に、料理本がたくさん並んでいるけれど、
みんな、単品一品料理として、素晴らしいけれど、何か違うんだよね。
365日毎日は食べられない、特別な日の食事って感じ。
その日の気分で、天気で、検索する、そんな本はないのかなあ。
きっと、その本売れると思う。
書いて煮ようかな。
題名「作りたくない日の献立」
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