魚のアトリエ”うおとりえ”

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 「魚っ食いの365日

深海・鱈のアリバイ

2011年10月09日 | 浜どんどの市場日記
 市場で素敵な鱈に出会った。(10月8日)
 
     

 躊躇なくゲット。

     


 胃袋の入り口に、釣り橋がしっかりと刺さっていた。
 さらに、頭部を解体すると奇妙なものが・・・それはイカの輪切りであった。

 魚の胃袋から小魚が未消化のまま出てくることは珍しくない。
 口にくわえたイワシが飲み込まれる寸前の姿にもよく出会う。

 しかし、釣り餌がそのまま、魚の口の中に残っているのははじめて見た。
 当然、あり得ることなのだが、釣り上げられるまでに苦しみもがいて吐き出す
 か、胃袋に飲み込んで仕舞うのだろうが、口中にあった。

 自然界の動物は、常に飢餓の状態にあると聞いたことがある。
 深海の世界も同様であろう。

 想像するに、きっとこの真鱈も腹を空かしていたのだろう。
 そこにスルスルと、イカの輪切り状のものが落ちてきた。

 いや、頭に当ったのかも知れない。
 鱈の棲息域は深海だから匂いで察知した可能性もある。

 少なくとも、人間の眼ならば暗黒の世界に違いない。

 あの大きな口で吸い込むように飲み、直ちに胃袋に達し、釣り針が刺さり、
 その瞬間、強引に引き上げられた。イカリングは釣り針からはずれ、口中に
 とどまった。

 アリバイとしてはそんなことを想像してみる。

  振り返ってわが身、「ああ、これはまさしく釣りモノだ」と納得し、
  底引き網漁でないことの証 と確認する。
  何と非情なことか・・・ごめんなさい!!

 その夜、
     

  わが胃袋に。 美味しくいただきました。有難う。


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