先行MV見て、入手したくなったので。
EXHORDERの『DEFECTUM OMNIUM』。
前作から5年振りとなり、今回から大きなメンバーチェンジが起こっている。
確か、MV公開は「FOREVER AND BEYOND DESPAIR」だったかと思うが、パンキッシュなグルーヴを滲ませた、所謂初期スラッシュメタルの持つサウンドと疾走感、そしてバンドが演奏しているのみの演出が、シンプルながら刺さった。
今回でアルバムとしては4枚目となるが、バンド結成は1985年であるため、このスラッシーな感覚は納得といったところ。
スラッシュ初期の、ヴェテランでないと出せない妙な説得力のあるサウンドなんだよね。
アルバムデビューした時期がスラッシュメタル衰退期に差し掛かっていたという不運により、一度解散をしている。
だが、その解散後に、ちょっとした噂が乗り始めたという。
今回のアルバムのライナーである川嶋氏によれば、EXHORDERの音楽は、PANTERAにきっかけを与えたというのである。
『COWBOYS FROM HELL』以降のPANTERAは、今や誰もが知る強靭なサウンドがうねる、所謂グルーヴメタル(正直、この呼称は好きではないが、当時のサウンドを形容する上で一番わかりやすい呼称であるのも事実)の象徴であるワケだが、実はPANTERAは『COWBOYS FROM HELL』から変化したというのも、また誰もが知る事実だったりする。
そこはフィリップ・アンセルモが加入した事によるのが大きいと言われているが、その際に彼がメンバーに教えたのがEXHORDERの存在だというのである。
EXHORDER自身は、自分達の事をグルーヴメタルなどと名乗った事は当然無いだろうが、一介のスラッシュメタルバンドとは一味違うグルーヴを、そのヘヴィネスに宿していたのは間違いないだろう。
パンキッシュな、ささくれたスピード感が今回のアルバムの軸となっているが、その隙間を縫うように導入されているミドル/スローな展開に於いては、なるほどPANTERAっぽいヘヴィなうねりが垣間見える。
EXHORDERが生み出したものを、PANTERAが完成形へと導いた感じだろうか。
真偽のほどは定かではないが、時期背景考えればこの考察は外れているワケじゃないから、興味深いね。
因みに、今回のアルバムリリースにあたりメンバーチェンジが起こっていると書いたが、ギタリスト2人が脱退し、ヴォーカルのカイル・トーマスがギターも兼任。正式なギタリストには、何と元CANNIBAL CORPSEのパット・オブライエン。
パットは6年前に隣家に強盗押し入り、警官にも手を出したという事で逮捕。
そんな不祥事を起こしたという事で、その時点でCANNIBAL CORPSEを解雇されている。
それがまさかEXHORDERでシーン復帰してくるとは。
人間的問題も懐疑的だが、音楽的な面で満足できるのか?と懐疑的になる。
なにせ、パットは昔NEVERMOREに在籍していたが、デスメタルが好きである事でCANNIBAL CORPSEへ加入と至ったワケだからね。
この辺りの人事は、また変動が起こりそうだね。