「史上最大級の彗星」と噂されてきたアイソン彗星が1ヶ月後に太陽最接近を迎えます。
当初の予測によると、10月末の今頃は6等台の明るさに達して小型双眼鏡でも見えるはずでしたが、
実際は9等程度と約3等級暗い状況で、大彗星に成長するかどうか怪しくなってきてます。
もしかすると太陽に向かう途中で消滅するのではないかと危惧する専門家も出てきました。
光度上昇ペースがこのまま推移するとしても、11月中旬にようやく双眼鏡で見えるレベル、
観望好機となる太陽最接近の5日前で3~4等級程度にしかならず、
超低空にしか見えないことを考えると肉眼で確認するのはまず困難ではないかと予想されます。
ちなみに11月24日の夜明け前におけるシミュレーションは下図のとおり。
(AstroArts社 ステラナビゲータによるシミュレーション ※彗星の下の数字は予想光度)
近くに水星と土星がいるので良い目印になるとは思いますが、高度は3度強とかなり低いです。
とりあえず東南東方向が地平付近まで見える場所でないと観望困難な感じです。
春にやってきて少々ガッカリさせられたパンスターズ彗星よりも条件的には厳しそうですが、
彗星っていうのは水物で、この先どうなるか分かりませんので、
事態が想定外に好転することに期待したいです。