11/29の晩、また伊豆稲取まで☆撮り遠征してきました。
この晩は雲が広がる時間帯もあったため、また収穫は2点だけ。
まず撮ったのはオリオン座にあるウルトラマンの故郷です↓
【M78星雲】
キヤノンEOS60Da+口径18cm写真撮影用反射望遠鏡,ISO800,F2.8,
総露出時間48分(8分×6コマ),中型赤道儀使用
日本では名前だけはよく知られてますので、そういう意味ではメジャーな天体かも?
ただ、どんな姿かたちをしているのかまで知っている人は少ないと思います。
で、その実体は上の画像のとおり中央に周囲より明るめの分子雲があり、
星雲を分断するような暗黒帯が横切っていて、ちょっと不気味な雰囲気があります。
ところでウルトラマンシリーズでのM78星雲は地球から300万光年彼方にあると設定されており、
その距離では銀河系外の天体ということになりますが、実際のM78は銀河系内にある星雲で、
地球からの距離は1600光年と見積もられていて、桁違いに近かったりします。
ネット上で調べると、ウルトラマンでは当初M87星雲がその故郷として設定されていたものの、
企画書作成時に番号が入れ替る誤りがあって、M78になったとの逸話があるようです。
ちなみに最初の設定のM87も実在天体で、こちらはおとめ座にある巨大楕円銀河になります。
地球からの距離は6000万光年と推定されており、逆に物語の設定の20倍遠方にあります。
続いて狙ったのは、とも座を北上中の新彗星です↓
【ラヴジョイ彗星(C/2014 Q2)】
キヤノンEOS60Da+口径18cm写真撮影用反射望遠鏡,ISO1600,F2.8,
総露出時間30分(2分×15コマ),中型赤道儀使用,トリミングあり
去年の今頃も同名の彗星が見頃になってましたが、それとは別物です。
また愛すべき女医さんの登場ということになりましたが、この先生は少し根暗のようで、
現在の光度は8等弱。一応、年明けごろに旬を迎える予定ですが、あまり目立たないまま
遠くへ去ってしまいそうです。大化けして美しいロングテイルを見せて欲しいんですが、
叶わぬ願いに終るかもしれません。
さて、この撮影が終了した直後に東の空が白んできたので、機材をゆっくり撤収し、
さあ帰ろうと思ってクルマのエンジンをかけようとしたら、セルモーターが回りません。
あ゙ー、やってしまいました、バッテリー上がりです。冷え込みは厳しくなかったんですが・・・
ラジオをつけっぱなしにしていたのがいけなかったかなぁ。
でも、こういうのは過去に何度か経験してるんで、ここは慌てず騒がず、
ラゲッジルームの奥に忍ばせているブースターケーブルを取り出し、
さっきまで望遠鏡架台のモーター駆動に使っていた撮影機材用カーバッテリーと、
上がってしまったエンジンルームのバッテリーを正しい手順で繋いで、いざエンジンスタート!
これでバッチリと思いきや、何とそのバッテリーも一晩中望遠鏡架台を動かしていたせいか、
電圧低下を起こしてしまったらしく、全く役に立ちません。さすがに途方に暮れました。
幸い、この日は近くで山岳マラソン大会があって、駐車場には数十台の車が停まってます。
車中泊の人はいないようでしたが、7~8時ぐらいになれば誰かが来てHelpを頼めるだろうと考え、
そのチャンスが来るのを待ちます。10℃以上の気温で、さほど寒くないのも幸いでした。
しばらくして日の出を迎え、そろそろ誰か車のところに来ないかなぁーと思っていると、
荷台に「東伊豆町」と書かれたトラックが1台、目の前を通過して行きました。
そのドライバーの方がエンジンルームを開けているこちらのクルマに気付いたようで、
数十m先にある林道指標(?)のチェック作業を終えた後に引き返してきてくれました。
「バッテリー上がりかい? でもケーブル持ってないなぁ」と話し掛けてきました。
「ケーブルなら持ってますので、繋がせてもらえないですか?」と聞くと
「じゃあ、傍に移動するからちょっと待って」と快く応じてくださいました。
聞けば、町役場の方とのこと。トラックを横付けしてもらい、エンジン停止後、
ブースターケーブルを接続し、エンジンを再スタートしてもらって、2分ぐらい待ってから、
こちらのクルマもエンジンをかけると簡単に始動しました。よかったー!
丁寧にお礼を言って別れましたが、本当に助かりました。
これからさらに寒くなるので、バッテリーを交換しないとダメだなこりゃ。
緊急用の予備バッテリーの増強も必要かな?