9日は10月りゅう座流星群(旧称ジャコビニ流星群)の極大日でした。
母天体であることが判明しているジャコビニ・チンナー彗星が地球に接近したばかりで、
その濃密なダストの流れに地球が遭遇するかもしれず、流星群の活動にも注目が集まっていました。
事前予想によると日本時間AM9時が活動ピークとされ、国内での眼視観測は困難とみられるものの
この流星群は過去にきまぐれな活動をみせており、ピークが数時間ずれることもありうるので、
その時間帯が前倒しになれば明け方に多くの流星が見られる可能性もゼロではないんです。
ということで、実は有休を取得して6日から4連休としていたのでした。
ちょうど新月期にあたっていて、他の天体撮影にも好適だったこともあり、8日は早めに出撃し、
20時頃には目的地の伊豆稲取某所に到着。天気はほぼ快晴で天の川が綺麗に見えてました。
ゆっくりと機材をセットアップしていると、北の空にフワっとした感じの遅い流星を目撃。
その軌跡を逆に辿ると、りゅう座頭部付近に行きつくので、特徴的な流れ方も含めて目的の流星群に
帰属されるものと推定しました。もしかして半日も前倒しになるのか?と期待感が高まります。
しかし、電波観測のリアルタイムデータを公開しているサイトを見ると全く静穏な状況でしたので、
とりあえず夜半までは一般天体を撮影しようと思って、いつもの主砲を赤道儀架台に載せました。
まずはこの夜に撮影した星雲星団の画像を2点ほど紹介します。
1点目は銀河系内の星雲↓
【オオサンショウウオ星雲 LDN437】
総露出時間80分(5分×16コマ加算合成)
はくちょう座とアンドロメダ座の間にあるマイナーな星座「とかげ座」の南部にある分子雲です。
周辺に広がっている赤くて大きな散光星雲Sh2-126(通称鷹の爪星雲)の北西端側にあります。
単独で狙われることはほとんどないような地味な天体で、特にニックネームなども付いてませんが、
色・形が何となくオオサンショウウオに似てる感じなので、勝手に名付けてみました。
ちょっと露出アンダーだったんで、いずれ再挑戦したいところです。
2点目は、うお座あるこの銀河↓
【NGC660】
総露出時間60分(5分×12コマ加算合成)
これもマイナーな天体です。画像では左上から右下の斜め方向に銀河回転面があるようですが、
腕は縦方向に伸びるという奇妙な姿をしています。こういうのを「極リング銀河」と呼ぶそうで、
過去に起きた銀河同士の衝突によって特異的な姿が形成されたと推定されています。
これも残念ながら露光不足って感じになってしまいました。
透明度の高い夜にじっくり撮り直したいですね。
これら以外に彗星も撮ったんですが、処理が終わり次第、別な記事にまとめたいと思います。
共通撮影データは次のとおり。
キヤノンEOS60Da+口径18cm写真撮影用反射望遠鏡,F2.8,ISO1600,
中型赤道儀使用,口径25mmガイド鏡にてオートガイド,トリミングあり