今年の秋に明るくなると期待されてきた紫金山・アトラス彗星を1か月ぶりに撮影。
【紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)7/5】
キヤノンEOS Ra+タカハシε-180EDC,F2.8,ISO1600,STARRY NIGHTフィルター,1.6倍クロップ,
総露出時間20分(2分×10フレーム,,彗星核基準σクリップコンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,等倍トリミング,静岡県西伊豆町にて
前回の撮影時にはおとめ座の西端付近に位置してましたが、現在は西隣のしし座に移ってます。
見掛け上、太陽の方向に移動しているため薄明終了時の高度が低くなってました。
そのせいか赤味が強くなってしまったのに加え、撮影フレーム数が稼げなかったこともあって、
前回撮影時のイメージより尾のコントラストが低下してしまいました。
信頼スジによれば光度は10等台半ばとなっており、先月より若干暗くなったようです。
実は1か月前に比べて地球から少し遠ざかったので、「光度上昇の鈍化」ということであれば
ある程度想定内なのですが、「減光」となると行く末が気掛かりな事態になります。
ということで、最近の動向からすると期待していたほど明るくはならないとの噂が出始めており、
太陽に向かう途中で彗星本体の核が崩壊するのではないかという悲観論を唱える研究者も現れてます。
ちなみに、今後も地球から見て太陽の方向に近い天空上の位置に移動していくため、
観測条件は悪化の一途を辿り、今月末から10月初旬までは一時的に観測不能となります。
夕空で再観測が可能になるのは近日点通過後の10月半ばで、肉眼でも長い尾を引く姿が見えるはず
というのが当初の予想でしたが、この調子だと双眼鏡でしか確認できない状況になるかもしれません。
まあ、拙ブログではこれまで何度となく指摘してきたとおり、彗星の振る舞いは水物なので、
最終的にどんな姿/明るさになるのかは、最盛期になるまで分からないというのが常であり、
ネガティブな予測を覆すような大彗星に成長してくれることを願ってます。