みなさんこんにちは。
国が変われば常識も変わる。
今回は香港の住宅ローン事情を紹介します。
外国はおっかないですよ…
ロイターの記事より抜粋
香港で住宅価格が下落し、規制対象外のノンバンクが実施した高金利住宅ローンの返済遅延と住宅差し押さえが急増している。
中央銀行に当たる香港金融管理局(HKMA)のデータによると、住宅の資産価値がローン残高を下回る「アンダーウォーター(水面下)」の物件が増加。
3月末時点の件数は5年ぶり高水準の1432件に上り、当該住宅の総額は49億香港ドル(6億3100万米ドル)と、世界金融危機時の2009年以来で最大となっている。
昨年12月にはこれが95件、4億1800万香港ドルにとどまっていた。
昨年第4・四半期以来、ノンバンクの金融企業が実行した住宅ローンで返済遅延が増えており、今では差し押さえも増加し始めた。
香港不動産金融協会(HKPFA)のアルフレッド・ラム会長によると、協会の会員企業ではローン100件当たり約10件が返済遅延を起こしており、昨年の5─6件から増えた。差し押さえも昨年の100件当たり2、3件から今では4件程度に拡大している。
香港は経済の約5分の1を不動産関連事業が占めており、住宅市場が激しく悪化すると経済全体が痛手を被る。
HKMAは今後、ノンバンクに対する取り締まり強化を迫られる可能性もある。
香港の銀行は既に厳しい規制を受けている。
2009年以来、7度にわたる不動産鎮静化策が実施された結果、居住用不動産では物件価格に対する融資比率(LTV)の上限が60%まで切り下げられた。
状況次第では40%までに制限されるケースもある。
ところが銀行以外の金融企業や不動産デベロッパーにはこの規則が適用されない。
このため買い手は近年、銀行を避けてこうした借り手から不動産価値の90─95%相当ものローンを借り入れるようになった。
100%を超える借り入れを勧められる場合もある。
これは不動産価格が上昇している時なら良いが、少しでも下がると借り手はアンダーウォーターに沈む。
香港の住宅価格は2015年9月の高値から11%下げた。
国際決済銀行(BIS)によると、家計の債務比率は過去最高の70%近くに達している。
<担保の使い回し>
状況の悪化に拍車を掛けているのが、担保のアパートをその他の規制外取引、例えば株式信用取引の担保にも使い回す慣行だ。
AAプロパティー・サービシズのマネジングディレクター、ツァン・キットチャン氏は「不動産を担保に使う人が増えている。株式市場で損失を出した人々は住宅ローンを返せない」と語る。
同氏によるとAAは今年これまでに、差し押さえ住宅の競売を約80件実施し、年末までにさらに200件の競売を予想している。
昨年は1年間で100件前後にとどまっていた。
<公式統計には映らず>
銀行の住宅ローンは通常、金利が2%程度、期間は20年ないし30年なのに対し、ノンバンクは10─30%で1─5年と短い。
ノンバンクは、定期収入を持たないため銀行が貸してくれない人々に住宅ローンを提供することが多い。
HKMAの公式データではレバレッジの全体像がつかめない、との指摘もある。
HKMAのデータは1年5カ月前のもので、鮮度にも問題がある。
ブローカーのリカコープによると、市場の最大10%はHKMAの規制の外で動いている可能性がある。
カンパニーズ・レジストリーによると、登録済み金融企業の数は5年前には800社強だったのが、今では1600社を超えている。
HKPFAのラム氏によると、状況が厳しさを増したため、金融企業も最近では融資を絞り始めた。
「このところ、金融企業が不動産価値の70%まで貸すことは珍しくなった。
なぜなら今日の70%は来月には75%に、3カ月後には80%になっているかもしれないからだ」という。
日本でも大手メーカーが独自の住宅ローン商品を販売していますが、やはりバランスが大事ですね。
市場を独占したいのも分かりますが、なにかの拍子にこけると、社員も顧客も業者も投資家もみんな不幸になります。
大きく儲ける効率も重要でしょうが長く安定的に社会貢献ができる、そんな企業が育っていく土壌ができればいいですね。
国が変われば常識も変わる。
今回は香港の住宅ローン事情を紹介します。
外国はおっかないですよ…
ロイターの記事より抜粋
香港で住宅価格が下落し、規制対象外のノンバンクが実施した高金利住宅ローンの返済遅延と住宅差し押さえが急増している。
中央銀行に当たる香港金融管理局(HKMA)のデータによると、住宅の資産価値がローン残高を下回る「アンダーウォーター(水面下)」の物件が増加。
3月末時点の件数は5年ぶり高水準の1432件に上り、当該住宅の総額は49億香港ドル(6億3100万米ドル)と、世界金融危機時の2009年以来で最大となっている。
昨年12月にはこれが95件、4億1800万香港ドルにとどまっていた。
昨年第4・四半期以来、ノンバンクの金融企業が実行した住宅ローンで返済遅延が増えており、今では差し押さえも増加し始めた。
香港不動産金融協会(HKPFA)のアルフレッド・ラム会長によると、協会の会員企業ではローン100件当たり約10件が返済遅延を起こしており、昨年の5─6件から増えた。差し押さえも昨年の100件当たり2、3件から今では4件程度に拡大している。
香港は経済の約5分の1を不動産関連事業が占めており、住宅市場が激しく悪化すると経済全体が痛手を被る。
HKMAは今後、ノンバンクに対する取り締まり強化を迫られる可能性もある。
香港の銀行は既に厳しい規制を受けている。
2009年以来、7度にわたる不動産鎮静化策が実施された結果、居住用不動産では物件価格に対する融資比率(LTV)の上限が60%まで切り下げられた。
状況次第では40%までに制限されるケースもある。
ところが銀行以外の金融企業や不動産デベロッパーにはこの規則が適用されない。
このため買い手は近年、銀行を避けてこうした借り手から不動産価値の90─95%相当ものローンを借り入れるようになった。
100%を超える借り入れを勧められる場合もある。
これは不動産価格が上昇している時なら良いが、少しでも下がると借り手はアンダーウォーターに沈む。
香港の住宅価格は2015年9月の高値から11%下げた。
国際決済銀行(BIS)によると、家計の債務比率は過去最高の70%近くに達している。
<担保の使い回し>
状況の悪化に拍車を掛けているのが、担保のアパートをその他の規制外取引、例えば株式信用取引の担保にも使い回す慣行だ。
AAプロパティー・サービシズのマネジングディレクター、ツァン・キットチャン氏は「不動産を担保に使う人が増えている。株式市場で損失を出した人々は住宅ローンを返せない」と語る。
同氏によるとAAは今年これまでに、差し押さえ住宅の競売を約80件実施し、年末までにさらに200件の競売を予想している。
昨年は1年間で100件前後にとどまっていた。
<公式統計には映らず>
銀行の住宅ローンは通常、金利が2%程度、期間は20年ないし30年なのに対し、ノンバンクは10─30%で1─5年と短い。
ノンバンクは、定期収入を持たないため銀行が貸してくれない人々に住宅ローンを提供することが多い。
HKMAの公式データではレバレッジの全体像がつかめない、との指摘もある。
HKMAのデータは1年5カ月前のもので、鮮度にも問題がある。
ブローカーのリカコープによると、市場の最大10%はHKMAの規制の外で動いている可能性がある。
カンパニーズ・レジストリーによると、登録済み金融企業の数は5年前には800社強だったのが、今では1600社を超えている。
HKPFAのラム氏によると、状況が厳しさを増したため、金融企業も最近では融資を絞り始めた。
「このところ、金融企業が不動産価値の70%まで貸すことは珍しくなった。
なぜなら今日の70%は来月には75%に、3カ月後には80%になっているかもしれないからだ」という。
日本でも大手メーカーが独自の住宅ローン商品を販売していますが、やはりバランスが大事ですね。
市場を独占したいのも分かりますが、なにかの拍子にこけると、社員も顧客も業者も投資家もみんな不幸になります。
大きく儲ける効率も重要でしょうが長く安定的に社会貢献ができる、そんな企業が育っていく土壌ができればいいですね。