両親が住まいする店舗兼住居である実家。
借家だが、両親が引っ越せば壊すと言われている築80年の建築物である。(実際もう建物は目に見えて傾いている)
私が子供の頃、使用していた2階の変形4畳半は、今は両親の寝室になっている。
部屋がL字型で両親の布団を2組敷くといっぱいの部屋。
二つの押入れを中段をぶちぬき、収納に使っている。
昨年末から有無を言わさず、片づけを強行している娘に苦虫かみつつ(笑)、
片づけで「いらないもの」を減らす一方で、「使うもの」 はやはり手近に置きたい。
棚を付けたり収納を増やしたりと、努力をしてきた母(昭和9)である。 片づけ下手な母ではない。
私の方がずっとずっと、散らかし魔だった。(笑) それがこの変わりよう。 母には 「信じられない」 と、笑われている。
【写真】着手前。カーテンを外したところ。母のベッドの真上にある自作の棚。棚の向こうに天袋がある。
載っているのは洋服を入れた衣装ケースや客用座布団・毛布などだが、結構な重さがあり、落下すれば真下に寝ている母は、ケガ必至。
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2月からいろいろ手を出し口を出しでやってきたのだが、「押入れの上の天袋、何とかしようよ」
20年前に、母はこの天袋を封印してしまっていた。
理由は・・・ 「手が届かないから」
身長145cmの小柄な母。
3段の脚立に乗っても天袋の奥までは手が届かず、
使わぬものを詰め込み押しやり最終的にはフスマを閉めて開かずの場の出来上がりになってしまった。
天袋の扉をはずして中を片づけて収納場所を確保し、
使用頻度の少ないものをしまえば、手前の危険な棚はいらなくなる。
少なくとも、モノの落下による母のケガの危険性は減るのだ。
「いつやる?」「今でしょ」
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かかれば早い、イノシシ生まれ(後先考えず、猪突猛進型)の娘。
やりだせば、止まらない。道具を揃え一気に始まる。
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手前の棚のモノをおろし、棚をはずし、奥の天袋の戸をはずす。
中から現れたのは、昭和60年~平成5年頃を最後に時間が止まったと思われるモノたち。
スピーカー、本、かるた、水ポット、日本の国旗(昔は祝日の度、日の丸を玄関先に掲揚していた)・・その他いろいろ。
3段脚立の上から、ひとつずつモノを降ろしていく。
「なんだぁ~?」
天袋の床一面に広がる、たくさんの石ころ。
石ころ? 何でこんなところに石ころ??
直径2~3センチほどの石が天袋いっぱいに散らばっている。
私も身長150cm。 奥まで手は届かない。手に持った棒や板を奥まで延ばして壁ギリギリのモノを引き寄せる。
こんなん出てきました。
いつの時代の「かるた」だよ。(笑)
箱はカラで、中にあったはずのカードは、天袋床で石ころと混じって全てボロボロだ。< 犯人はチューさんだ。
どうやら石ころを持ち込んだのもチューさんらしい。
この借家に入居した48年前からチューさんには悩まされてきたものねぇ・・・(^^;
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それにしても大量のブツ。 びっくりである。 何年分やら。(笑)
チューさんも 「何かを作るために石ころをせっせと運んできた」 らしい。 目的は果たせたのか、今となっては気になるところ。
手かごにまで、大量の石ころ。
【写真】途中経過~。 頑張れ~。(笑)
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この一年半で、私自身が身をもって解ったこと。
モノが散在しているシーンを見るのは、心が折れる。
目から入る情報に一貫性がないからだ。色も形もグループ性もない。
様々な色の、崩れた破れた壊れたモノ、たまたま今回、破壊されたモノたちばかりだが、
それらに限らず、身の回りにあるたくさんのモノたちは、実に様々な色や形状を持ち、私たちの生活空間に置かれている。
だがそれらが時には精神的な圧迫感を持つ。
気づかないうちに、自分を追い込んでいっている場合があったのだ。
だからこそ、片づけてキレイになったシーンは、心が安らぐ。
人によって、「片付いている」 線引きはいろいろだろうが、少なくとも私は、2年前とは明らかに自分は変わったと思っている。
落ち着いた人生を送るために、私は自分の周りを片づけたいのだ。
家族のためでも他人のためでもない。自分のため。
片づけすぎることが家族や友人に、おかしな迷惑をかける。
けれどもう、この年で後悔はしたくない。
自分のやりたいことをやりたいだけなのだ。
たまたま今それが、引っ越しをきっかけに 「片づけたい!」 と思ったことなのだ。
「人のモノを勝手に捨てる」 ことはしない。
ちゃんと断りを入れ判断を仰いでから捨てる。
ただ、それに時間を費やしたくない。
自分の時間だって、もうどれだけ残っているのかわからないから。
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ビニール手袋はいて作業してたけど、汗で蒸れて中がくっついてイライラもん。(笑)
軍手に替えて、作業続行。
石ころや紙くずやほこり、ゴミなどを全て撤去。
掃除機をかけて新聞紙を敷き、改めてモノを収めていく。
↓ before ↓
↓ after ↓
【写真】着手前と着手後を載せたが、見た目、あんまり変化ないね。(^^; 実際には随分、空間確保できたと思う。
前づけの棚がなくなった分、カーテンレールの位置を、30㎝程ずらして設置。
改めてカーテンをかけたが、位置が移動したことでベッドまでのカーテンの長さが変わってしまって、母、不満。(笑)
天袋から排出した 「昭和のいらないモノ」 たちは、こんなにありました。
イプーちゃん、またまた お腹いっぱい。 産廃処理場へ直行します。
またひとつ、懸念の場所がキレイになりました。(^^)v
(追伸) 母へ。
いつもごめんね。言い出したら人の言葉をきかない娘で。
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