フィアット500、日本での発売開始

 いつ登場するのかと、待ちにまっていたフィアット500が3月15日に日本において正式に発表され、同日から販売が開始されるとのアナウンスがなされた。価格は225万円。このミニマムトランスポーターが、日本でどれ程売れるのか、楽しみである。

 最初の500は1936年に登場し1955年まで製造され、「トポリーノ」(ハツカネズミの意)の愛称で親しまれた。フロントに小さな水冷エンジンを載せ、後輪を駆動した。

 二代目500は1957年に登場。空冷のエンジンをリアに積む、リアエンジン・リアドライブ車で、NUOVA 500(ヌゥオーヴォ・チンクエチェントと読む。新しい500の意)で、このモデルから「チンクェチェント」と呼ばれるようになり、1977年まで生産が続けられた。最後の1台がラインオフしてから既に20年が経過しているが、イタリアでは今でも多くの500が走り回り、日本においても愛好家により少なくない数のチンクェチェントが飼育されている。

 このチンクェチェントのデザインをモチーフにし、現代のテクノロジーで蘇らせたのが今回日本でも販売の運びとなった500である。初代から数えると三代目の500であり、いわば「ニュー・ヌゥオーヴォ・チンクエチェント」と言って良いクルマではあるが、どうやら、単に「500」(チンクエチェント)と呼ばれるようである。(詳細はこちらを参照)

 このチンクエチェント、VWのニュー・ビートルやニュー・ミニと同類であるわけだが、この3台、クルマ好きならどれも欲しいと思わせてします妙味を持っている。特に小さい500は、愛玩動物のようでもあり、「我が家でも1台飼ってみようか」という気にさせられてしまうから不思議。

 日本でも、例えばスズキのフロンテ・クーペや、ホンダZなどのデザインをモチーフにして、Aセグメントのサイズのボディに現代のテクノロジーを詰め込めば、なかなか魅力的なクルマが出来上がり結構売れるんじゃないかと思うけれど、どうだろう。

 「軽」だけじゃなくて、トヨタ2000GTなんかも、あの大きさ(安全性と快適性のための僅かな拡大は認めよう)、あのデザインの中で再構築すれば、アルファ・ロメオのスーパースポーツ、「8Cコンペティツィオーネ」(8Cはオット・チと読む)にも劣らぬ、魅力あるクルマが誕生すこと請け合いである。

 出してくれれば、ニュー・ホンダZも、ニュー・トヨタ2000GTも、郷秋<Gauche>は買うぞ。ただし1/43(^^;。
 
 例によって記事本体とは何の関係もない今日の1枚は、春間近の柔ら名光が差し込む、すみよしの森の竹林の小径。
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