東芝、HD DVD事業からの撤退を発表

 一昨日(18日)、東芝、HD DVD撤退か という記事を書いた。その中で、マスコミは盛んに東芝の「HD DVD撤退」を書きたてたが、当の東芝は「何も決まっていない」(西田厚聰社長)と報道を否定していることを紹介した。

 ところが、東芝は昨日(19日)になって、HD DVD事業からの撤退を正式に発表した。確かに、東芝は18日時点では「何も決まっていない」と言ったのであり、「HD DVD事業は止めない」と言ったわけではない。だがしかし、前言はいかにも言い逃れ的で、HD DVDユーザーヘの説明責任を果たしているとは思えないコメント。HD DVDユーザーの東芝への不信感は、ますます高まったことだろ。

 そして、昨日は「HD DVD事業からの撤退」と共に、「競合していた規格「ブルーレイ・ディスク(BD)」に基づく製品を発売する計画は現時点ではない。」と発表。ここで問題なのは郷秋<Gauche>が付した下線部分、「現時点では」という文言である。

 「(今は)何も決まっていない」と言いながら、舌の根も乾かなぬ翌日には「HD DVD事業からの撤退」を発表して憚らない東芝のこと、高画質(大容量)の映像を録画できる、HD DVDとは別規格の次世代DVD(つまりはブルーレイ・ディスク(BD)と言うことだ)を、作らないとは限らない。否、早晩BD規格のビデオレコーダーを発売するだろうし、BD規格のPC用のデータレコーダーも出すことだろう。

 ならばだ、「BD規格に基づく製品を発売する計画は現時点ではない。」ではなく、「マーケットのニーズを見極め、今後の対応を慎重に考えたい」ほどの言い方をしておけば良かったものを。あるいは、東芝は「武士は食わねど高楊枝」を貫くつもりなのだろうか。もしそうであれば、東芝も天晴れではある。
 
 例によって記事本体とは何の関係もない今日の1枚は、すみよしの森で咲く椿。この時期、梅ばかりがもて囃されるが、梅の季節は、また椿の季節でもある。
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