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VILLA D’EST(Part.2)

 一昨日、昨日に続いてVILLA D’EST(ヴィラデスト)をご紹介いたします。

 一昨日ご紹介した郷秋<Gauche>の葡萄の木の写真(see here)をご覧になって不思議に思われた方も多いのではないでしょうか。何故なら、葡萄が「ブドウ棚」からぶら下がっているのではなく、衝立に這うようになっているからです。

 つる性の葡萄を作る際には二つの方法があります。一つは「棚仕立て」で、もう一つが「垣根仕立て」です。日本では棚仕立てが普通の方法で、葡萄の他に梨やキウイ、アケビなどがこの棚仕立てで栽培されています。果実ではありませんが「藤」も棚仕立てで栽培されていますね。これに対して垣根のように、もっと判り易く云えば衝立(ついたて)状のワイヤーに枝を這わせて栽培する方法を「垣根仕立て」と云います。欧米の葡萄はほとんどこの方法で栽培されているようですが、日本では一般的な栽培方法ではありません。

 山梨の現南アルプス市で果樹園を営んでいる郷秋<Gauche>の友人が30年近く前にこの垣根仕立てに挑戦した事がありましたが、地面に近いところに付いた実に雨で跳ね上がった土が付き、それが元で病気や虫にやられしまうことから垣根仕立てを諦めたと聞かされた事がありました。もっとも栽培していた品種がベリーAだったかネオマスカットだったか忘れましたが、いずれにしても生食用のものでしたのでワイン用の品種とはちょっと事情が違ったのかも知れません。

 郷秋<Gauche>が実際に垣根仕立てで栽培されている葡萄を見たのは以前住んでいた相模原にあった「ゲイマーぶどう園」でのことでした。戦前からこの地に住んでいたフランス人(名前からはドイツ人かと思っていました。ワインのボトル形状もドイツ風だったような気が・・・)が日本人の奥様と共にフランス流に葡萄を育て、醸造をしていました。相模原市内の酒店ではこのゲイマーワインが販売されており郷秋<Gauche>も何度か飲んだ事がありましたが、「赤」はまずまずでしたが「白」はいまひとつだったような印象があります。


 さて、前置きが長くなりましたがVILLA D’ESTの葡萄はご覧のように(多分)全て垣根仕立てで栽培されているようですので、その畑を訪れるとまるでブルゴーニュに来たみたいな気がします。って、実はブルゴーニュには行った事がない郷秋<Gauche>ですが(^^;。ワイナリーツアーの時にVILLA D’EST周辺は日本でももっとも雨量の少ない地域だとの説明がありましたが、先にご紹介しました南アルプス市の友人のところでは上手く行かなかった垣根仕立ても雨量の少ないVILLA D’ESTでは上手く行くと云う事なのかも知れません。


 VILLA D’ESTは葡萄畑やショップだけではなく見所満載です。これはショップ、レストラン&ワイナリーの近くのガーデンにある小屋。ちょっと暑過ぎる日でしたが、爽やかな風が吹きぬける頃にはさぞかし快適な散歩ができることでしょう。




 最後の一枚はVILLA D’ESTから南の方を見た図。厳しい暑さ故なのでしょうか、彼方の山々が霞んで見えますが、空気の澄んだ秋の日にもう一度この場所から遠くを眺めて見たいものだと心から思う郷秋<Gauche>なのでありました。(おしまい)

追記:昨日書いた内容について、一部誤解があるようなので訂正いただきたいとのメイルを頂きました。ご指摘内容からすると、私の書いた文章が言葉足らずとなっていたようです。明日以降、訂正箇所が明確になるような形で訂正・追記したいと思いますので、再度お読みいただければ幸いです。

追々記:追記いたしました。浅学を恥じる郷秋<Gauche>でありますが、怪我の功」と云うべきか、貴重なお話も頂く事が出来ましたので、それも併せてご紹介させていただきました。詳しくはこちらをご覧ください。
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