唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
文武両道?
今日の神奈川新聞に「『文武両道』に白羽の矢」と云うタイトルの記事があった。記事内容は、韓国社会の知育偏重に警鐘を鳴らす特別番組を制作する「KBS」(韓国放送公社)が10日、伝統的に「文武両道の教育」を行っている神奈川県立湘南高校を取材。KBSの取材スタッフ4人は学校側の推薦で、ラグビー部で活躍しながら東京大学進学を目指す同校3年生2名を取材したというもの。
更に神奈川新聞は「同校は県内屈指の進学校であるとともに、1949年に全国高校野球選手権大会で優勝するなど(郷秋的には60年も前の甲子園?の優勝の事実が記事内容の理解の役に立つとは思えないけど)文武両道の伝統を持つと紹介。また、同校校長の「学力のみならず、総合的な人間力を培ってきた本校の教育方針が韓国のマスコミの目に留まった。わたしたちの取り組みを点検するとともに、外に向かって発信するために、今後もさまざまな取材を受け入れたい」とのコメントを掲載している。
ところで「文武両道」って何だ。
「武道」とは、新明解国語辞典よれば「学芸と武道」(広辞苑では「文学と武道」とあるが、「文学」よりも「学芸」の方が広義であり、より理解しやすい語であると思う)。更に武道とは「武術をみがいて万一の場合に備えるべき、武士の道。教養として身につけるべき剣道・柔道・弓道など(の技術)」とある。
つまり「文武両道」とは学芸と剣道・柔道・弓道などの武道の両方を身につけることと云う意味なのだろうな。
しかし今どき「武術をみがいて万一の場合に備えるべき、武士の道」って、武家社会が解体されて150年が経とうとしているのに、「文武両道」などと云う言葉が、よりによって新聞記事のタイトルにまで使われるとは恐れ入る。神奈川新聞としては、湘南高校校長が語った「学力のみならず、総合的な人間力を培ってきた」事を上手いこと「文武両道」の四文字に収めたつもりなのだろうが、果たして今どきの高校生に理解できるかどうか。
思い起こしてみると郷秋が卒業した高校(旧藩校の流れをくむ)の、確か応援歌の歌詞にも「文武二道は武士の華」という箇所があったように思うし(書いていて急に甦ったが「気は天を突く健男児」なんてフレーズもあったな。共学だったけれど女子からクレームなんて話は聞いたことがない古きよき時代)、今でも「サムライ・ジャパン」とか「サムライ琢磨」「サムライ可夢偉」などと云う言葉を見聞きすることが少なくない。
しかしだ、今の日本で、日本人共通の倫理観や道徳観のベースとして、一般的・日常的に「武士道精神」が語られているのならいざ知らず、スポーツの国際試合やF1あるいは今回の記事のような取材・記事の時にだけ「武士道」や「サムライ」が登場するのっていったいどうしてなんでしょうね。郷秋にはいかにも唐突な気がしてどうも馴染めないぞ。
ところでラグビーって、武道なの?
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例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、恩田の森、白山谷戸の「今日」の稲田と空。昨日「明日は更に黄味の増した稲穂と、更に高くなった空を見る事が出来るだろう」と書いてしまったので本日撮影の写真をご覧頂くだことにしたが(昨日掲載の写真は一週間前の4日に撮ったもの)、写真からは余り違いが判らないかも(^^;