どうして一眼「レフ」より一眼の方が高いのか

  「デジタル一眼レフ」と「デジタル一眼」との最大の違いは、文字面を見てもお分かりの通り「レフ」、つまりレフレックス機構があるかないかである。レフレックス機構とは、レンズを通して見る画像を通常はファインダーへ導き、撮影の瞬間にのみイメージセンサー(撮像素子)に導くためのミラー(鏡)とペンタプリズム(もしくはペンタミラー)の事である。

 

 画像の光学情報をファインダーとイメージセンサーとに必要に応じて振り分けるためにはミラーが高速で上下する必要があり、この機構が非常に複雑でコストがかかりかつかさばる。また、ペンタプリズムは高価なうえに大きく重たい(故に廉価な入門機ではミラーを組み合わせたペンタミラーを使用する)。

 

 一方、「デジタル一眼」はその文字面の通りコストがかかり重たくなるレフレックス機構を持っていないから、当然廉価に、小さく、軽くすることができる。と、云いたいところなのだが実は、小さく軽くなるのは事実なのだが、一般ユーザーにとっては最も肝心な価格がむしろ上がっているのが実態である。

 

 例えばデジタル一眼レフとデジタル一眼の両方をラインナップする(現時点では貴重なメーカーである)OLYMPUS(オリンパス)の場合はこんな具合である。

 

デジタル一眼

E-PL1sズーム(14-42mm)レンズキット 58,000

 

デジタル一眼レフ

E-620ズーム(14-42mm)レンズキット 53,000

 

 ちなみに、E-620と同クラスのNikon(ニコン)D3100のレンズキットはE-620よりも更に10%程安い47,000円である。(価格はいずれも郷秋<Gauche>調べ)

 

 理由は判らない。例えばオリンパスが初めて出した「デジタル一眼」であるE-P1が当時のSLR(一眼レフ)より高かったのは理解できる。つまり、新しい技術の開発費用と生産設備の経費が上乗せされているからである。しかしだ、その後にE-P2E-P1E-P1sと立て続けに登場させかなりの数が売れているはずであり、新規技術の開発費用と生産設備の改修費用は回収できているだろうと郷秋<Gauche>は思うのだか、デジタル一眼はいまだに一眼「レフ」よりも高価なままである。

 

能的にも価格的にも存在している、カメラの世界におけるヒエラルキーは、コンパクト<高級コンパクト<デジタル一眼<APS一眼レフ<フルサイズ一眼レフ<中判一眼レフ、であるはずなのだが、少なくとも価格の面ではデジタル一眼とAPS一眼レフのところで逆転現象が起きているのは確かである(APS一眼レフにはフォーサーズを含む)。

 

さて、この階層の最底辺に位置するコンパクトから上位への買い替えを考えている方に郷秋<Gauche>から一つアドバイスがある。それは、高級コンパクトとデジタル一眼を飛び越して「APS一眼レフをお買いなさい」と云う事。高級コンパクトとデジタル一眼は、一眼レフを使いこなせるようになってこそのカテゴリーなのである。くれぐれもお間違いのないように。

 

 

 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、先週月曜日に羽田の第一ターミナル展望デッキから撮ったもの。今更のようですが、午後になると第一ターミナルからは完全に逆光になってしまうんですね。

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