印画紙は安い?

  Yahoo!Newsに「写真愛好家への影響は? 原材料の物価高騰で印画紙値上げへ」と云う記事が掲載されていた。写真のプリントは、写真を撮る多くの人がすることで、特別な写真愛好家だけがすることではない。そもそもタイトルが変だと云う話はこの際置くとしても、「印画紙値上げへ」は気になるニュースだ。

 

 件の記事によれば、「富士フイルム」が、写真印画紙を国内外で520%値上げする方針を決めたらしい。印画紙の表面に塗布する感光剤の原料となる銀などの価格高騰によるもので、すでに中国では10%の値上げが決まっているが日本国内での値上げ幅はまだ決まっていないとのこと。今日のテーマに直接の関係はないが、この記事中に富士フイルムが全世界で印画紙販売数の約60%のシェアを占めているとの記載があり驚いた。

 

印画紙代が値上がりすれば、所謂「お店プリント」の価格も上がるのかと思ったが、必ずしもそうではないらしい。つまり、こう云うことだ。

 

「一般的に写真店のプリント代は人件費や現像機械の償却費といったさまざまな要素で決まる。このうち印画紙代に当たる部分は約1割にとどまるという。例えば、国内の写真店で写真を現像する場合、130円とすれば、印画紙代は約3円となる計算だ。この3円にあたる部分が値上げ幅の影響を受けることになるという。板橋部長は「印画紙代が上がって、プリント代も値上げになるかどうかは各写真店の判断だが、520%の範囲では、値上げしてもさほど影響はないのでは」と推測している。」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110122-00000543-san-sociより引用)

 

 なるほど、印画紙代はプリント料金のわずか10%なんだ。つまり印画紙が10%値上がりしてもプリント料金全体に対する割合は僅か1%だから、すぐに影響は出ないと云う事のようである。しかし印画紙、安いんじゃないか?だって、インクジェット用のL版の用紙って、110円くらいするでしょう。それと比べるとわずか3円って、安過ぎじゃない?

 

 自分のインクジェットプリンターでプリント(所謂「おうちプリント」)すると、用紙代が10円、インク代が10円、そして2万円で買ったプリンターで1000枚プリントしたと仮定すると一枚当たりの原価償却費が20円で合計40円(L版の場合)。しかしだ、自分で買ったプリンターで1000枚プリントする人っているだろうか?それを考えると「お店プリント」(印画紙にプリントと云う事だ)の130円は随分とリーズナブルだと云うことになるな。

 

 

 と云う訳で、今日の一枚は印画紙、ではなく、オリエンタルのイーグルと云う印画紙の入っていた箱。当たり前の話だが、印画紙は明るいところに持ってきたら使い物になってしまうから、この箱を開けることのできるのは暗室でだけの事であった。ちなみにこれはキャビネ版250枚入りの箱で、ポートレートなどに最適なちょっと軟調の「2号」。「空ケース」と書かれているのは、印画紙を使い終わった後にTRI-X100feet巻を詰め替えるパトローネを入れていたものなんだろうな。いずれにしても30年以上前の事だ(^^;

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恩田の森、更新

本日、恩田の森で撮影いたしました写真をこちらに掲載しておりますので、ぜひご覧ください。
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