弦楽五重奏版アルペジョーネ・ソナタ


  ヨーロッパで高い評価を得る日本発祥の弦楽四重奏団、ロータル・ストリング・カルテット(Lotus String Quartet, Stuttgart)にチェコの名手、ミハル・カニュカが加わったアルペジョーネ・ソナタ(LIVE NOTES WWCC-7799) 。事実上消滅してしまった、ギターのようなフレットと6本の弦を持つヴィオラ・ダ・ガンバに似た楽器、アルペジョーネのためにフランツ・シューベルトが作曲したアルペジョーネ・ソナタは、現在はチェロとピアノとによって演奏されることが多いが、これはミハル・カニュカ自身によるチェロが二本の弦楽五重奏のための編曲版。

 アルペジョーネ・ソナタの編曲版と云うと、ガスパール・カサドによるチェロ協奏曲を思い出すが、ミハル・カニュカによる編曲は、単にピアノによる伴奏を弦楽四重奏に編曲したものではなく、弦楽四重奏と独奏チェロとが時に一体となったより独創的なもので、つい先日聞いたクロイツェル・ソナタの弦楽五重奏版(ロータル・ストリング・カルテット+ペーター・ブック)を思い起こすような、最初からこのように書かれたのではないかと思ってしまうほどの完成度の高い編曲、そして演奏。チェロや室内楽ファンには是非ともお聴きいただきたい一枚である。

 横浜の住宅地に残された里山の四季の移ろいを毎週撮影し掲載している「恩田の森Now」に3月21日撮影の写真を4点掲載いたしております。早春から欄春へと移りゆく森の様子をどうぞご覧ください。
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