自家用車に貼られた車椅子マーク

 明らかに自家用と思われる車のドアに貼られた「車椅子マーク」。この車椅子マーク、実は通称であって、正しくは「国際シンボルマーク」と云い、障害をもつ人々(車椅子利用者に限定しない)が利用できる建築物や施設であることを示す世界共通のマークです。

 時折、上の写真のように「国際シンボルマーク」(車椅子マーク)を(主にバックドアなどに)貼った自家用車を見かけますが、これは一体・・・

 国際シンボルマークが貼っているからと云っても、障害者が自由に利用できる自動車ではないでしょうね。そんなクルマはない。障害者が利用する施設の送迎用ワゴン車にこのマークが貼られていることが多いような気がします。クルマは「建築物や施設」ではありませんので、本来の利用方法ではないかも知れませんが「障害者が乗り降りするので停車時間が少々長くなりますが、ご理解を」的な意味合いで貼っているものと理解することができるでしょうか。

 では、明らかに自家用と思われるクルマに貼られたこのマークの意味は・・・

 そのヒントは、内閣府のホームページ https://www8.cao.go.jp/shougai/mark/mark.html にありました。このページに、障害者のための国際シンボルマークの概要説明とともに次のような「注意文」が掲載されておりました。


 「個人の車に表示することは、国際シンボルマーク本来の主旨とは異なります。障害のある方が、車に乗車していることを、周囲にお知らせする程度の表示になります。したがって、個人の車に表示しても、道路交通法上の規制を免れるなどの法的効力は生じません。駐車禁止を免れる、または障害者専用駐車場が優先的に利用できるなどの証明にはなりませんので、ご理解の上ご使用下さい」

 上の写真のクルマの場合には、先に書きました障害者送迎用ワゴン車と同様の意味で貼っているのかも知れませんが、繰り返しになりますが、国のオフシャルなサイトにわざわざ「道路交通法上の規制を免れるなどの法的効力は生じません。駐車禁止を免れる、または障害者専用駐車場が優先的に利用できるなどの証明にはなりません」と書かれていると云うことは、そのような利用をされ方が少なくない、有り体に云えば多い、と云うことなのでしょうね。

 ちなみに、障害者が利用するクルマを止むを得ず路上駐車しなければならない、障害者専用駐車場を優先的に利用したい場合の証明のためには「駐車禁止除外指定車標章」があります。障害者手帳を交付されている方が最寄りの警察署に申請して交付を受けます。この標章はクルマにではなく障害者本人に対して交付されますので、レンタカーや友人・知人のクルマで送迎してもらう場合にも利用できます。

 障害者手帳を交付されている障害者は、ひと目で障害者と分かるような方ばかりではありません。身体内部に障害を持っていたり、一見普通に歩いているようでも実は下肢に障害があり歩行距離をできる限り少なくしたいと云う方もおられます。そんな障害の多様性を理解して、障害者が少しでも快適に生活できる社会を作っていきたいものですね。

【記事本文に関連して】
障害者用の駐車場に赤い三角コーンが置いていることが時々あります。障害者以外が利用できないようにと云う意味かとは思いますが、障害者が車を止めるためには一度車から降りて三角コーンを退けて、再度車に乗り込んで駐車しなければなりません。介助者が一緒ならばまだ良いのですが、特に下肢に障害がある方の場合にはこの作業が大変な困難を伴います。
障害者用の駐車場に三角コーンを置かないように、くれぐれもお願いをいたします。

 横浜の住宅地の中に残された小さな里山の四季移ろいを毎週撮影しているblog「恩田の森Now」に、ただいまは9月24日に撮影した写真を6点掲載しております。残暑も和らぎ稲刈りが始まった森の様子をご覧いただけたら嬉しいです。
blog「恩田の森Now」
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#車椅子マーク #国際シンボルマーク #障害者との共生 #自家用車に車椅子マーク #車椅子マークの不適切利用 #身体障害

コメント ( 2 ) | Trackback (  )
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コメント
 
 
 
Unknown (月下の走術師)
2023-09-27 09:09:42
こんにちは。

たまに見かけますね、その手のマークの貼り付けてある車両。どうも免罪符のような効能でもあると思っているのでしょうか?

最近、youtubeで海外(アメリカ西海岸郊外や欧州)のドライブ動画をよく見ていますが各国のドライバーは殆どマナーよく乗られているようです。わが国ではあまりにも有名な煽り運転やノロノロ運転車両もまず見かけません。ナンバープレートもごく一般的なものだけで変なイラスト付きや数字のぞろ目に拘る車両もまずいません。

どうも我が国は自動車と言うと技術ばかり先行してしまって肝心の運転方法がおろそかになってしまったようです。自動車学校も数多く免許取得される事ばかりでそちらは教える事も無いのでしょう。
 
 
 
Unknown (郷秋<Gauche>)
2023-09-27 18:41:53
月下の走術師さん、コメントありがとうございます。
30年前は、渋滞の時に高速の路側帯を疾走するマークIIやクラウンが気になったものですが、最近は某Gクラスの横暴な運転振りが気になって仕方がありません。
所詮は似非自動車文明国ということでしょうか。
 
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