弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

米からセシウム 第一原発放射能の垂れ流し継続か?無法地帯か

2011年08月21日 | 福島原発 東日本震災

米の放射能検査が行われているということですが、茨城県の鉾田市の早場米
から、微量ですが、放射性セシウムが検出されたとのことです。お米からの
検出ははじめてのことです。
鉾田市は福島第一原発から150キロも離れています。
ニュースはここからどうぞ。

汚染牛が見つかって以来、毎日食べなければ大丈夫だなどと言われ続けて
いますが、米からもみつかったということは、
我々が口にするすべてのものが汚染されているということです。
一時期、海に汚染水を垂れ流しましたから、海の汚染、したがって魚類の
汚染もかなりでしょう。

なによりも土壌が汚染されているのですから、そこに居住する人間は
毎日汚染され続けているわけです。

口にするものすべてが汚染されているということは、種類は違っても要は
汚染されているものを毎日食べつつけているわけです。そのうえ、
更に何もしなくてもそこにいるだけで、一日24時間、毎日汚染にさらされて
います。

文部科学省は19日、警戒区域(半径20キロ圏内)に指定された地域の50地点
について、事故発生から1年間の積算放射線量の推計値(1日8時間屋外にいた場合)
を初めて公表しました。
最高は原発の西南西3キロの大熊町小入野の508.1ミリシーベルトで、一般人の
人工被ばくの年間許容線量の500年分に相当するというのです。
さらに、35地点が20ミリシーベルトを超えたということです。
大丈夫などといえる数字ではありません。
くわしくはここをどうぞ。

前にも書いたと思いますが、汚染源である福島原発からの放射線漏れは現在進行中
であるということです。

これが一番怖いです。ここをクリックしてください。
イギリスのガーディアン紙のオンライン版です。
(それぞれの写真をクリックすると大きくなり、また説明文もみえます)
この9枚の写真はこの8月初めに勝手に入って撮った写真です。
unauthorised access というのはそういうことです。
誰にとがめられることもなく、簡単に中に入ることができたということです。
ということは、責任者はいないということなのだと思います。
ですから、ガソリンも使いたい放題になっているのです(中段の左端の写真)。
作業員たちは防護マスクをつけて作業しています。
それほど危険だということです。
上段の左端の写真はトイレです。ピンクのプラスチックシールで壁など一面が
覆われているとのことですが、そこに入ってきた人のつけた測定器は音を出し始め、
みると少なくとも15マイクロシーベルトを示していたというのです。
中段の右端と下段の写真5枚を見てください。
事故当時のままでです。
壊れたパイプはそのまま野ざらしの状態です(下段の右から2枚目)。ここは
東電が1万ミリシーベルトの放射線が発見されたと発表した場所のすぐ近く
だということです。こういう状態だとすると当然です。
「心を一つにネバーギブアップ」と書いてありますが、何をあきらめるなというのでしょうか。
日本のテレビでは決してみることができませんが、
本当は国民にこういう場面こそ知らせるべきです。一体全体東電は何をしているのでしょうか。
下段右端の写真は、窓が全部壊れ、つなみのがれきが残っているだけで空っぽの
建物です。
第一原子炉の近くにあるということです。この写真を撮影した記者さんは
「津波の被害にあった岩手の海岸でみた多くの建物と同じようにみえる。しかし、場所が
場所だけに、この建物は何に使われていたものだろうか、気になる」とコメントしています。
これら写真からわかることは、東電は何も有効な手を打っていないということです。
何も知らない作業員だけがわけもわからず働いているだけだということです。

ということはいまも放射能漏れは続いていると見るべきでしょう。
本当に背筋の凍る思いです。

ところでこの記者さんですが、1日の取材(6時間)を終って被ばく量は60マイクロ
シーベルトだったということです。
なお、私はここで働いている人たちは高齢者だけと思っていましたが、若者たちも
いるのです。
この記者さんは、自分の被爆が長期的に健康にどういう影響がのこるか心配だけれど
それ以上に毎日毎日ここで働いている若者のことがもっと心配だと結んでいます。

もうひとつ気になるニュースをみました。ここをクリックして下さい。
立入禁止区域にある建設中の常磐道を30頭以上の牛が歩いていたということです。
タグがついた黒毛和牛らしいものもいたということです。
もし、これが汚染牛だったとすると、その糞も汚染されています。
汚染牛が野放し状態になっているとしたら、これもまた、第二次汚染源になりえます。

文科省が積算放射線量の推定値を発表したことは一歩前進ですが、
汚染された土地に住み、汚染されたお米を食べ、汚染された魚、野菜、牛肉等を食べ、
汚染された所を歩いて、仕事に行く、買い物をする、病院にいく、役所にいく、学校にいく、
そういう人間の行動形態に即応した被曝量を考えるべきです。

なによりも言いたいことは、第一原発の現状です。
菅総理を先頭に第一原発の視察をしていただいてはどうでしょうか。
また、民主党の代表選に立候補する人には、まず第一原発の現状視察をしていただいて
その解決策を提示していただく、その結果を、選考の最も重要な基準することに
してはどうでしょうか。

ガーディアンの写真からわかることは、福島原発は、無法状態であり、
誰も責任者がいないということです。

なお、どの程度が危険かなどわかりにくいのですが、比較的いろいろと説明があります。
ご関心があれば、ここをどうぞ。