まだ5月の初めですが、今年は激動の一年になりそうです。
1月、チュニジアで始まったジャスミン革命、エジプト革命、そしていまだに
進行中のアラブ社会の民主化の動き、一進一退の状態の最中、
日本での東日本大震災(地震、津波)による福島原発事故、
チェルノブイリの25周年目に起こった、これまで最悪の原発事故、
これもまだ進行中です。
その最中に、イギリス王子ウィリアムの結婚式(これでイギリスの王室も安泰かと
思われた?)、そして、新婚旅行の行き先?などと気軽な話題が2、3日続き、
今度はウサマ・ビンラディンの殺害のニュースです。
いずれも世界中のメディア、世界中の人々がテレビに齧りつくような
大ニュースです。
おそらく、今後の世界を大きく変える事件です。
後で振り返ったときに、2011年という年が重要な1年として思い出される
はずです。
想像できないような世界になっているはずです。
私は、この瞬間は、ラトビアの首都リーガにいますが、
中東欧を旅すると、いつも感じるのは時代に翻弄された国々の歴史です。
特に旧ソ連による破壊は、物に対するだけでなく、人の心にも大きな傷跡を
残しています。
しかし、この5月1日をもってEUの一員として本格的に立ち直ろうとしています。
ビンラディンの殺害は、この後のアラブ革命にも影響があるでしょうし、
イスラムとキリスト教の対立にも影響があると思います。
複雑にからみあった二大宗教、二つの価値観の対立の2000年の歴史が、
融和する方向に、
向かって動き出すきっかけになってほしいと思います。
オバマ大統領はビンラディンの遺体の写真は公開しないという方針を決めたと
いうことでした。
インターネットの時代ですから、どこからか漏れる可能性はあります。
それでも、写真を公表しないという正式の決定は、
抑制されたものとして、評価されるのではないでしょうか。
オリエントから始まった人類の歴史を冷静に振り返ってみると、
民族や国家の憎しみや対立などはちょっとしたボタンの掛け違い、
歴史のいたずらでしかないということがわかるような気がします。
なにもしないという中庸ではなく、結果としての中庸、
バランスのある決断、行動を意識することが、これからの私たちに求められる
行動規範だと思います。