2日、ウィキリークスのジュリアン・アサンジ氏は25万点に上る
米外交公電をそのまま公開したということです。
これまでは、危険が及ぶ可能性のある個人の氏名などは削除する
などして、また、イギリス、アメリカなどのマスコミと協力して、公表して
きていましたが、今回は、独自の判断のようです。
もちろん、マスコミ各社との関係の詳細はわかりませんが、
一体何があったのでしようか。
25万点もの情報を、プライベートな内部告発機関で扱うこと自体が
不可能に近いです。
だから一つの方法は、できる範囲で公開するということです。
そうすると、あるいは貴重な情報が公表されないまま、いわゆる宝の
持ち腐れになりますが、それはやむを得ないと割り切ることになります。
これが良識的な選択です。
もう一つは、全部を公開して、世界の人たちに情報の取捨選択を任せる
という方法です。つまり、今回のウィキリークスのやり方です。
誰も25万点全部を見ることなどできませんから、それぞれが自分の関心の
あるところだけを見ることになります。
一番怖いのは、そして多分、協力マスコミが反対をするのは、
国家レベルで、利害関係事項についてのチェックが行われる場合です。
たとえば、イランや北朝鮮や中国やロシアなどは、そういうことをしそうです。
そうすると、やはり危険は現実のものとなる可能性があります。
アサンジ氏もそういうことはわかっているはずです。
スエーデンに対する引き渡しの裁判の決着もついていません。
影響があるような気がします。
自身、今も厳しい保釈条件のもとに置かれています。
膨大な情報をコントロールできなくなったこと、自分自身の身柄についても
コントロールできないことで、自暴自棄とも思える行動になったのでしょうか。
どの国も停滞する世界経済について有効な手段を見出すことができていません。
あらゆる分野がグローバル化する中では、もはや人間がコントロールできる
ことなどなくなってしまうということのようにも思います。