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私のガルパン戦車プラモデルの第十八作目にして黒森峰女学園チームの七輌目は、重駆逐戦車エレファントに決めました。独特の外見と強力な武装および重装甲が、他の車輛にはない風格を帯びてなかなかに印象的な車輌です。
第二次大戦でも相当の活躍をみせたようで、その戦闘力が味方はもちろん、敵にも高く評価されていたことが最近の研究によって明らかになっています。
ですが、ガルパンストーリーにおいてはやられ役で、ウサギさんチームの果敢なる「戦略大作戦」によってあっけなく撃破されてしまいます。高地に陣取る大洗チームとの砲撃戦においても、カメさんチームの「おちょくり作戦」に惑わされて戦列を崩したりと、良い場面が微塵もありません。ドイツ軍戦史においてもひときわ光彩を放った第656戦車駆逐連隊のイメージは、ガルパン世界においては顧みられていないのでしょう。
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左が組み立てガイド、右が概説パンフレットです。タミヤのキットにはこうした概説パンフレットが同封されているものが多く、対象車輛の由来や歴史などを一顧出来るようになっています。それによってキットへの理解も深まり、組み立てる際の感情移入の度合いも深まります。
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パッケージの中身です。中央の茶色のパーツは履帯で、連結式です。履帯を連結式で組むのは今回が初めてでしたが、組み立てガイドのステップ10にガイド図があり、これにパーツを合わせて楽に組み立てられるようになっていたので、さほどの苦労は要しませんでした。
それよりも、このキットのパーツだけでは劇中車を再現出来ない、という問題の方がはるかに大きかったのでした。
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公式設定資料図を御覧下さい。劇中車の転輪のハブキャップは左右の12個全てが突き出た形状になっています。キットではこの形状の転輪のパーツA13が6個しかないので、あと6個を他から持ってくる必要があります。
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そこで、キットを購入した後に、タミヤのカスタマーサービスに該当するランナーを注文しました。転輪のパーツA13は、Aランナー(部品コード10007569)に3個入っていますので、Aランナーを2つ取り寄せました。タミヤの対応は素早く、注文品が届いたのは二日後でした。
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組み立て制作に先立ち、車体上部パーツのFの修正に取り掛かりました。上図はパーツFですが、組み立てガイドの図ではFの表記がなく、ステップ3にて「コンバットルーム」と記されています。ガイド裏表紙の下段の部品リストに「Fパーツ 戦闘室」とあるのに相当します。
このパーツFは、キットにおいては実在の車輛の形状を忠実に再現しています。黒森峰女学園チームの他の車輛に比べて、溶接の合わせ目の痕跡が各所に縦横に通っていて目立ちます。ドラゴンからもエレファントのキットが出ていますが、そちらの同じパーツもほぼ同じ再現状況を示しています。
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ところが、劇中車には、溶接の合わせ目の痕跡がまったく表現されていません。上掲のワンシーンでも、その様子がよく分かります。
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背面の状況がよく分かるシーンでも、溶接の合わせ目の線が見えません。キットの車体下部パーツのDにも各所に溶接の合わせ目の痕跡がモールドされていますが、劇中車においてはそれも存在しません。
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戦闘室天板の様子がよく分かるシーンです。御覧のように溶接の合わせ目の線が見えません。左右と後端に並ぶ斜めの切り込みだけが表されているのが分かります。この斜めの切り込みは、実際には溶接の合わせ目の一部であるのですが、劇中車では合わせ目の線が全て存在しませんので、単なる切り込みになっています。
また、天板上のほぼ中央に位置するベンチレーターが方形の保護板で囲まれているのが見えますが、キットではその向きが異なります。キットでは、ベンチレーターおよび方形の保護板は、車体上部パーツのFにて一体成型でモールドされているため、切り離して向きを修正する必要があります。その修正作業は、ステップ3にて行ないました。なおドラゴンのキットでは、ベンチレーターおよび方形の保護板が別パーツになっています。
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これらの情報をふまえて、斜めの切り込みだけを残して溶接の合わせ目の痕跡を全て埋める、という作業をやりました。合わせ目の痕跡は、線というより溝に近いので、細長くカットしたプラ板をはめ込んで上図のように修正してゆきました。
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この作業だけでも30分以上を要しました。今回のキットも楽ではないな、と感じました。ですが、こういう細かい作業を何も考えずに一生懸命に続けるというのは、私にとっては楽しいものでした。やり遂げた際の爽快感もまた格別です。
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続いて、僅かな隙間や凹凸に溶きパテを塗り、乾いた後にサンドペーパーでヤスって均しました。左右側面前端には丸いボルトのモールドが三つ縦に並びますが、これは劇中車にも見られますので、誤って削らないように注意しました。
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溶接の合わせ目の痕跡を何とか消し終わりました。ですが、車体上部パーツのFの修正箇所はこれだけにとどまりません。ステップ1から3までの各工程にて、他の修正箇所を順に手がけてゆくことになります。 (続く)