完全に晴れて雨の心配も無くなりましたので、宿に預けてあった自転車を出して街中に繰り出しました。もう夕方に近くなっていましたが、まだ昼食もとっておらず、那珂湊で少し食べ歩きしただけでしたので、とりあえずどこかで食事しよう、と思いました。
永町商店街を走りました。ここも劇場版に登場しましたが、テレビシリーズの時よりも長い範囲が出ていて、永町商店街の街路のほとんどにわたっていました。
鳥孝に立ち寄り、水戸アニメイトの一番くじの賞品色紙を寄贈しました。店主の稲石さんと雑談をするなかで、おすすめの食事処ありませんか、と聞きましたら、「この近くにさ、最近に俺の同級生の家がやってる店が出来てんだ、味は保証するよ、行ってきたらどう」と勧められました。
場所と店名を聞くと、役場の東の「和久」でした。早速そこへ行くことにしました。
途中で肴屋本店の前を右へ曲がりました。このお店も劇場版に登場しています。
「和久」に着きました。役場の東、文化センターの北側にあたる位置です。劇場版に登場した場所のすぐ横ですので、今後はガルパン巡礼の立ち寄りも多くなるだろうな、と思いました。
店内に進んで、鳥孝さんの紹介で来ました、と挨拶すると、女将さんの海野さんがにこやかに迎え出てくれました。食事をしたいのですが、と言うと左側の食事席に案内されました。メニューをみながらお店の由来も教えていただきました。何がお勧めですか、と訊ねると、海鮮ものなら何でも、ということでしたので、「お刺身定食」を注文しました。
これが「お刺身定食」です。こういうのが私は大好きです。
お刺身を大洗での外食でいただくのは、実は今回が初めてでした。今までにあちこちの宿に泊まって夕食でいただくことが多かったからです。これまで、個人的には那珂湊の「こけらや」の刺身が私の中ではトップで、大洗には無かったのですが、今回の「和久」の刺身がその思いを完全に覆しました。旨い、の一言に尽きました。
大洗でもこんなに美味しい刺身がいただけるのか、と感動しつつ、ゆっくりと味わいました。
鯛のつみれ入りのお吸い物です。これまた素晴らしくまろやかな味で、私の好みでした。これでこちらのお店のファンになる、と決めました。
女将さんとは、その後も色々とお話をして、閉店時間の19時を過ぎてもガルパンブーム関連の話題で盛り上がりました。お店もまだ出来たばかりで、海産物販売もやっているので、食事処とどちらをメインにしようか迷ってるの、と笑いながら話していました。
「うちはこれまでずうっと水産品の卸問屋でしたの、丸海商店といってねえ。この夏からこちらに店舗建てて、とりあえずは和食レストランということでやってますけど、まあ、海鮮料理がメインですので」
「正面は販売コーナーのようですが、惣菜とかも扱われるのでしょうか」
「ええ、こちらの品々なんですけど・・・」
「ああ、魚の西京漬けですか。これは鮭ですね。こちらは鱈ですか?」
「ええ、銀鱈です、こちらは烏賊、明太子です」
「どれもこれも美味しそうですねえ、実は私は魚が好物でして・・・」
「星野さんは、どれがお好きなんですか?」
「鮭なんです。ほとんど毎日食べてますからねえ、こちらの鮭もいっぺん焼魚とかで食べてみたいですねえ」
「それでしたら、明日またお越しいただければ、メニューの焼魚定食でお出しいたしますよ」
「あっ、食べさせていたたけるですか、それは素晴らしい。明日まで滞在しますんで、お昼を食べに行きます」
「どうぞどうぞ」
海野さんは、昨今のガルパンブームにも関心があるようで、商店街の各店舗のガルパンコーナーやグッズに関しては「ガルパンのグッズって色々あるみたいだけど、あれみんなどうして店に飾ってるのかなあ」とか、「ああいうコーナーって作ったらどうなるのかねえ」とか、不思議そうに言いました。ガルパンさんも街中で見かけるけど、ああいう皆さんはどういうふうにこの街を観光されてるんでしょうねえ、と問いかけてきました。
「ガルパン巡礼の方は、こちらのお店にはいらっしゃらないのですか?」
「あんまり、ね。それらしいのがたまーに来られるんですけど、ガルパンさんかどうかは分かりませんのでねえ、一般の方々のほうは結構いらっしゃいますけどね」
それはそうだろうな、と納得しました。新規開店からまだ間もなく、ガルパン要素も全くありませんから、大洗では「一般のお店」という認識にとどまるでしょう。むしろ地元の住民が常に利用する定食屋さんとして人気を呼びはじめているようなので、蕎麦屋でいうと「武山」と似たようなポジションにおさまるのではないかな、と感じました。
ガルパン巡礼の多くは、蕎麦屋ならば商店街ルートに位置する「大進」や「常陸屋」の方へ行く傾向があります。海鮮料理ならば「栗崎屋」や「寿々翔」などへ行く方が多いと聞きます。いずれのお店も、ガルパンパネルの設置店舗だからでしょう。
「まあ、大洗もガルパンで賑わってるので、今度のパネルの抽選会にも呼ばれたんですよ」
「えっ、劇場版の新キャラクターのあれですか」
「ええ、商工会からお誘いもありましたので、ああいうパネル、無いよりは有ったほうがいいかなあ、と思って一応抽選に行きましたけれど、でも外れましたの。アハハハハ」
「それは、残念でしたねえ」
「いえ、残念っていうか、正直言ってよく分からないのよ、ガルパンのブームとかね。パネル置いたら何がどうなるの、っていうことも全然分かりませんのでねえ、映画が、劇場が、ってみんな騒いでますけれど、それでずうっと続くのかな、って思いますし。ガルパンに入ったら入ったで、訳わかんなくなりそうですし」
「訳分かんなくなる、ってのは分かります。私もそう思う時が時々ありますので」
「でしょ?この前なんか、ガルパンのキャラクターのぬいぐるみみたいなのをかぶって歩いてる変なのが居たの。中は男の方なのに、ガルパンのキャラクターの恰好して、あちこちで写真撮ってたりなんかしててね、あれ何だろうな、ああいうのがガルパンさんなのかな、ってねえ。ああいうの、初めてみたんですけど、訳分かんなかったですねえ」
いちいちごもっともでありました。これがガルパンブームに対する、大洗の住民一般の平均的な捉え方なのだろうな、と納得しました。
それで、もしこちらでガルパンブームにあやかって色々仕掛けるんであれば、鳥孝の稲石さんにまず相談して、商工会にきちっと連絡とればいいと思いますよ、と話しましたら、ああそれでしたら問題無いです、主人が商工会の理事やってますので、と笑いながら教えてくれました。
その御主人とは、翌日の昼食時にお会いして色々と詳しい話をうかがうことになります。
ことのほか長居をしてしまい、非礼を詫びて退出しました。海野さんは「明日またお越し下さい」と笑顔で送り出して下さいました。
会話で盛り上がった後は、妙に空腹感が込み上げてきました。昼食を遅くとっただけに過ぎないので、よしこれから夕食だ、と決めて「しゅんさい」に行きました。大洗で夜の食事をゆっくりといただけるお店は、そんなにありませんので、素泊まりの時はこちらでいただく機会が多くなっています。
今回は、新メニューの「ガーリックオムライス」をいただきました。劇場版新キャラクターの島田愛里寿のパネルがこちらに設置されることを「大洗フィーベル」で知りましたので、話を伺いました。こちらのお店も商工会からの連絡を受けて抽選会に参加し、見事に当たったのだそうです。
しかし、これまでの昼間の営業を止めて夜間のみの営業にしているそうなので、昼間のガルパンスポット巡りでは利用出来ないことになります。宿泊滞在にて素泊まりのケースでなければ、なかなかいく機会が得られないのではないか、と思いまして、そのことを話しましたら、「そうなんですよねえ、今まで昼もやってましたけど、お客さんがあんまりありませんでしたし、もともと居酒屋でやる積りでしたから、最初は夜だけにしようというのはあったんですよ」と応じてきました。
「でも今度のパネルのキャラクター、なんか凄い人気が出るぞ、っていうのを聞かされてますので、これから大変かもしれません。昼間も必ず外に飾ってくれ、言われてますけど、お店は休みで、パネルだけ出すっていうのも、どうなんだろうな、って・・・」
「それは心配無いですよ、パネルが見られればオーケー、というファンが殆どですから。パネルを写真に撮るのが目的で来てる人が大部分ですから、お店が休みなのは構わないんですよ。パネルが出てないと、そっちの方で苦情や文句を言われたりするそうです」
「そうなんですよねえ、商工会にそのこと言われたんですよ。うちは戸口が桟組みでガラスも曇りガラスなんで、内側にパネル置いても見えない。じゃあ、二階の窓に貼りつけるとかして、とにかく外から見えるようにしてくれ、とかね」
「大変ですねえ」
「ほんと、大変ですよ」
そう言って苦笑しておられた若女将さんでした。
宿には、20時過ぎに戻りました。建物の前にある町有の園地の木には、上図のようにクリスマスツリー仕様の電飾が設けられて、ブルーとホワイトの二色の組み合わせで冬の季節感を演出していました。
宿の主人の話では、場所的にちょうど大洗町の水戸からの玄関口にあたるので、宣伝の意味も兼ねて園地に色々と飾り付けをする時がある、ということです。
夜中に一度外に出て、向かいのセブンイレブンで飲み物などを買いました。その際に撮影した、大和旅館の夜の景色です。
今回の「那珂湊ほのぼの作戦2」の成果です。カード4枚が2セット、特典の缶バッジが2個です。缶バッジのキャラクターは、前回は河西忍と佐々木あけびでしたが、今回は澤梓と宇津木優季でした。
二日目の夜の時点での、ガルパン缶バッジの全部です。33個になっていました。
右上の大きなサイズの武部沙織デザインバッジは、あるお店で雑談をした際に貰いました。初めてみるバッジでしたので、由来を問うと、まいわい市場でるるぶ刊行のガルパン巡礼ガイドを購入した際に特典としてつくものである、と教えられました。他にも色んなデザインがある、ということですが、ガルパン巡礼ガイドの表紙を飾っているあんこうチームの5人を一人ずつデザインしているのでしょう。 (続く)