
きょう、多くのテレビが新型コロナの抗体検査の結果を報じていた。
アメリカでは、カリフォルニア州のロサンゼルス郡での抗体検査で、調査の成人の約4.1%が感染しており、PCR検査での陽性累積数による感染率の40倍だったという。同じく、サンタクララ郡での抗体検査では、感染率2.5~4.2%で、PCR検査での感染率の50~85倍となった。
ドイツ北部の町Gangeltでは、住民1万2000人のうちの500人に抗体検査をした結果、14%が感染していた。
抗体検査はPCR検査と異なり、新型コロナにかかったことがあるということが抗体からわかるだけだ。患者を隔離する目的では、ウイルスを検出するPCR検査しか使えない。
しかし、疫学では、人口の40%から60%が感染すれば、感染症の流行はおさまると信じられてきた。だから、ニューヨーク州でも、抗体検査を大規模に行い、都市封鎖の解除の判断に使おうとしている。東京都でも抗体検査をこれからするという。
事実を知ることは大事だ。
啓蒙はenlightenment、真実に光をあてて見えるようにすることだ。
抗体検査を世界中で行い、本当の感染率を知ろうとすることは、これまでにない画期的なことだ。
日本では、PCR検査数を制限したまま、厚労省のクラスター班の西浦博教授は、国民の80%が感染するとか40万人が死亡するとか、言っている。バカではないかと思う。数理モデルを作っても、入力データが信頼できなければ、シミュレーション結果は信頼できない。数理モデルは現象論で、入力データから、実効パラメータを決め、将来を予測するものである。
彼は、科学者として、技術者として、とても恥ずかしいことをしている。与えられた数字でものを言うのではなく、厚労省に働きかけて、信頼できる数値を得ようとするのが、真理を求める正しい態度である。
ウイルス学者の北村義浩教授は、日テレで、気温が28度を超えるころには、新型コロナの流行が収まり、インフルエンザのように、毎年、小規模の流行を繰り返すようになるかもしれないと言っていた。これは、予測でなく、祈りである。
しかし、ヨーロッパやアメリカでは、彼の予測が当たるかも知れない。ドイツのPCR検査による感染率は0.17%、アメリカの感染率は0.22%である。WHOはこれを10倍して、本当の感染率は1ないし2%だと推定してきた。これより、新型コロナの感染がずっと広がっていたのだ。40倍から80倍して感染率を受けとったほうが良い。
日本は、岡田晴恵が けさのテレビ朝日モーニングショーでいっていたように、ヨーロッパやアメリカと比べて人口当たりのPCR検査数がずっと少ない。しかも、相変わらず、検査数が伸びていない。したがって、この数から、感染者が増加しているのか どうかはわからない。
日本のPCR検査による感染率は、東京都で0.023%、全国で0.009%である。少なくとも、本当の感染率は100倍、たぶん数百倍であろう。それでも小さい感染率で、ヨーロッパやアメリカより、遅れて流行がおさまることになるだろう。
抗体検査でわかることは、それだけでない。ワクチンや治療薬がないなかの致死率だ。これまで、WHOは感染者の0.5ないし0.6%が死ぬと推定していた。こんどの後退の検査の結果、致死率は約0.1となる。
これは良いことだ。北村教授が、新型コロナはSARSウイルスの弱毒版と言っていたが、これもあたったようだ。
私は研究室の同窓会幹事をやっているが、私が一番若く、90歳近くもいる。新型コロナの流行を予測し、2月に、今年の5月の同窓会をキャンセルし、来年の5月に延期した。新型コロナ流行の収束に希望が見えてきて、来年は同窓会が開けそうと安堵している。
[追記]
4月23日の各社のテレビ報道によれば、慶応大学病院で、新型コロナ感染者として入院している患者以外の、他の患者全員にPCR検査をしたところ、6%の患者が新型コロナに感染していたという。4月22日の東京都のPCR検査による感染率の500倍にあたる。
NHKのキャスターが新型コロナ感染症対策専門会議の副座長の副座長の尾身茂に、このことを問い合わせたところ、否定も肯定せず、実際の感染の広がりをつかめていないことを認めてた。
日本は、韓国や台湾より科学的倫理の劣る人が、専門家会議のもとに、政府の太鼓たたきをやっているのか。疫学者はみんなバカなのか。
[追記]
4月23日の記者会見で、ニューヨーク知事は、3000人の抗体検査の結果を発表した。約17%が新型コロナに感染していた。ニューヨーク州の人口は1945万人でPCR検査の陽性者の累積は85万6209人、すなわち、4.4%である。抗体検査での免疫をもった人数は、PCR検査からの感染数の4倍となる。ニューヨーク州は、他とくらべ、積極的にPCR検査を行ってきたと言える。