猫じじいのブログ

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菅義偉を総裁とする自民党は支持できない、安倍政治の継承はもうけっこう

2020-09-03 22:03:25 | 叩き上げの菅義偉


安倍晋三総理の後継者は菅義偉内閣官房長官で決まりだという。自民党総裁選挙の日程と方法を決める前に、各派閥は菅を自民党総裁に押すことを決めた。菅にすれば各派閥の利害を尊重してくれるという派閥の思惑からだ。党内の民主的手続きを無視した方が、各派閥の利害が尊重されるという不思議な構図になっている。

菅は、9月2日に総裁選出馬の記者会見で安倍政権の道を引き継ぐと、つぎのように言っている。

〈まずは目の前にある危機を乗り越えることに全力を挙げつつ、こうした山積する課題にも引き続き挑戦をしていきたいと思います。〉

ここで「目の前にある危機」とは

〈なんとしてもコロナ感染拡大の防止と社会経済活動の両立を図り、雇用を守り、経済の回復につなげていかなければなりません。ポストコロナを見据えた改革を着実に進めていく必要があると思います。〉

のことである。しかし、今まで、政権を担当していて、「コロナ感染拡大の防止」が的確でなかったことをどのように考えているのか不明である。また、「ポストコロナを見据えた改革」とは何かに不安を感じる。

安倍政権は、専門家会議の議事録公開を拒否し、「コロナウイルス感染対策専門会議」を解散し、分科会組織に組み込み、会議の前に「官邸」の方針がメディアに流されるようになったが、これは外部の専門家たちの適切な利用と言えない。

「改革」が官邸に忖度する形の官僚制の強化であってはならない。政府はあくまで行政サービス機関の中枢である。行政の意思決定過程を透明化しなければならない。
この点で、安倍のやり方を引き継いで欲しくない。

また、「山積する課題」とは

〈その上で少子高齢化問題への対応、戦後外交の総決算をはじめとする外交・安全保障に、その課題、とりわけ拉致問題解決に向けた取り組み、そして憲法改正。〉

のことを言っている。まさに、これが「安倍総裁が全身全霊を傾けて進めてこられた取り組みをしっかり継承」の中身である。

「国の基本というのは自助、共助、公助」と言っているが、そんなことで、「少子高齢化」が解決できるか。問題の本質は「少子化」であるが、本来、家族が増えることは人間にとってうれしいことであるのに、「少子化」が起きるということは、それだけ、経済的にも精神的にも国民が追い込まれているからだ。

「戦後外交の総決算」というのも恐ろしい言葉である。日本の戦後は「対米従属」であり、米軍基地が沖縄に集中している。これに手をつけない「総決算」は、対米従属の下の日本の軍国主義化になってしまう。この文脈で「憲法改正」とは、日本が戦争できる国にすること(自衛隊を軍隊と明記)、戦時体制のための「非常事態条項」を付け加えることになる。

安倍政治の継承という菅義偉を総裁とする自民党を支持するわけにはいかない。