猫じじいのブログ

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座間市9人殺害犯、厚木市45人殺傷犯、叩き上げ新首相も神奈川県

2020-09-19 22:52:12 | 叩き上げの菅義偉


きょう土曜日のTBS『報道特集』は「▽新総理・菅義偉氏とは?生い立ち、そして“沖縄”との関係は?▽座間9人殺害事件・初公判を前に男が語った動機」を扱っていた。奇妙な組み合わせであるが、いっぽうで、現在の日本の病理を象徴しているように思え、妙に納得感があった。

神奈川県座間市の9人殺害事件とは、自殺を望む女をツイッターで募り、強姦し、金品を奪い、殺害し、切断し、首をクーラーボックスに保存し、死体とともに暮らしていた事件である。全員、自殺希望者だったわけではない。失踪した恋人を探している男も、事件の発覚を恐れた犯人によって殺害され、やはり、クーラーボックスに首が入れられてあった。

彼(犯人)は、殺された女のことを「自殺希望といっても、本当に死にたいわけでなく、単にかまわれたいだけですよ」と言う。

彼は、父親を、働いてばかりで、いつも疲れ果てていたという。そうはなりたくない、金儲けをしたくて、商業高校に進学し、会計士を目指した。しかし、会計士受験に失敗し、大手スーパーに正社員として務めたが、2,3年でやめ、職を転々として、女をスカウトして風俗に派遣する仕事についた。楽をして、スーパーの社員のときの数倍の収入を得たという。しかし、事件の半年前に、職業安定法違反で執行猶予付きの有罪判決を受け、スカウト業をやめた。

そして、楽をして金儲けをしたいと考えた新しい仕事が、自殺希望の女を殺害して金品を奪うことだったという。そして、自分は「成果主義」だという。その意味が理解しがたいが、楽をして金儲けをするということを、行為ではなく結果を重視する思想だと言いたいようである。

座間市9人殺害事件の1年前に、同じ神奈川県相模原市での津久井やまゆり園で、元職員による利用者とスタッフ45人殺傷事件があった。その動機は、社会に不要な人間を殺すべきという思想からきた。彼は、気楽に就職した津久井やまゆり園で、社会に役立つ人間と役立たない人間がいて、役立たない人間が役立つ人間に迷惑をかけていると考えるようになった。

同じ、神奈川県に、「叩き上げ」を自称し、「自助」を唱え、首相になった男がいる。菅義偉である。「自助」を言っているのに「叩き上げ」をもてはやす人たちがいるのは、どこかおかしい。これも社会の病理である。

菅義偉は私の1つ下である。私の世代は大学に行かないのが普通だった。高校にも行けない子もいた。家の生活をささえろと言って親が進学に反対するからである。私の親友も高校進学を親に反対され、中学教師の仲介で、定時制(夜間)高校に通いながら、家業の塗装業を手伝うことになった。

菅は、親のイチゴ農家を継ぎたくないから、ふらっと意味もなく、東京に出たのである。親に仕送りもせず、自分探しをし、その結果、夜間大学に進んだのである。卒業後も自分探しが続き、ある日、権力闘争に打ち込むことに自分の道をみつけ、自民党議員の秘書についたのである。けっして、不幸な人たちを助けたくて、政治家になったのではない。

「叩き上げ」の意味することは、自民党が「おぼっちゃま」の集まりになっていることである。別に「叩き上げ」だからといって偉いわけではない。自民党が腐りきっているだけである。

5分間で食事し、4,5時間の睡眠で働いたからといって偉いわけではない。だいじなのは、何を目指して猛烈に働いたかである。自分が権力を持つために猛烈に働いたことは、別に偉いことではない。結果として、極右の安倍政権を支えただけである。

菅義偉は、安倍晋三の下で、政権の不始末を隠し、沖縄に基地を押し付け、観光立国に ばく進した張本人である。森・加計・桜の生ごみにふたをしただけでなく、昨年の総選挙で1億5千万を河井克行・案里に出したのも菅義偉と言われる。今回の件は、マフィアのボスを支える殺し屋がボスに昇格したようなものである。

それなのに、「叩き上げ」を持ち上げる人たちは、神奈川県座間市9人殺害犯、津久井やまゆり園殺傷犯と同類の病気に陥っている。