ウクライナがロシアに対してよく抵抗しているというニュースが2,3日前まで流れていたが、どうも状況は違うようだ。ウクライナの町々の人びとは、水や電力が止められ、爆撃の音を聞きながら、暗闇と寒さの中でおびえている。すでに、ウクライナから2百万人以上の女と子どもが周囲国ポーランドやルーマニアやモルドバに逃げているという。
ロシアは「人道回廊」といって、ロシアやベラルーシへの避難路しかウクライナの人びとに認めようとしない。すなわち、全面無条件降伏しろ、さもなければ、無差別に殺害するぞと脅かしている。
18歳から60歳までのウクライナの男たちは残ってプーチンと闘うと言っている。ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアの戦闘機に爆撃されるのを防ぐために、ウクライナの上空を飛行禁止区域に設定するよう、NATOやアメリカ政府にずっと要請している。しかし、NATOやアメリカは、戦争を拡大したくないからといって、それを断っている。
いっぽうでアメリカ政府とイギリス政府が、ゼレンスキー大統領に亡命を進めている。
「人道回廊」や「亡命」は、ロシアの軍事侵攻からウクライナ人を見殺しにしていることをごまかすための、見せかけではないか。少しも人道的でない。本当にすべきは、ゼレンスキー大統領の要請に答えることではないか。
テレビで軍事専門家の解説を聞いていると、戦車や装甲車は見せかけで、つぎの段階は、シリアのアレッポのようにロシア最新鋭機による都市への無差別爆撃であるとみている。アメリカやイギリスやドイツは対戦車砲や対空砲をウクライナに供与しているが、ロシアの最新鋭機の爆撃にウクライナは手足がでない。日本やドイツが、第2次世界大戦末期に制空権を失い、都市が無差別爆撃を受けたのと、同じ状況が生じる。
プーチンはウクライナの無条件全面降伏を要求している。NATOやアメリカが軍事介入しないかぎり、これから、シリアと同じように、ウクライナの人びとが爆撃で数万、数十万と死ぬだろう。
仲介を期待された中国は自国の経済がだいじだから、当事者で解決しろという態度に変わっている。一方的に軍事侵攻を受けているとき、当事者で解決せよということは、弱い者は強いものに屈服せよ、ということではないか。
ドイツ、フランスも、ロシアに天然ガスを頼っているから、冬には動きたくないと介入を断り、見せかけに、対戦車砲を供与しているにすぎない。このままでは都市への無差別爆撃を止められない。
もし、本来の意味で国連平和維持軍というものが存在するなら、いまこそ、ウクライナに派兵し、爆撃機や戦車が国境を越えるのを阻止すべきではないか。
いま、NATOやアメリカが戦争を拡大したくないという理由で、ウクライナの人びとは全面降伏するか、難民になるか、殺されるしかないのか。
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