猫じじいのブログ

子どもたちや若者や弱者のために役立てばと、人権、思想、宗教、政治、教育、科学、精神医学について、自分の考えを述べます。

津久井やまゆり園殺傷事件の被告をなぜ精神異常とするのか

2020-01-26 18:05:38 | 津久井やまゆり園殺傷事件


私は津久井やまゆり園殺傷事件の被告を異常な人間とみることに反対である。
被告は、自分より弱い者を目の前から取り除きたがる、どこにもでもいる弱者にすぎない。
意思疎通ができなく不幸な人生を送っている弱者を見たくないのである。
自分も弱者であることを認めたくないだけである。
昔からある、若者によるホームレス殺害事件と同じである。

メディアは、不倫した俳優を倫理に背むくと非難し、けっして、精神異常とは言わない。ところが、根底においてイデオロギー(思想)が絡む殺人犯の場合、正面から批判せず、精神異常と片付けてしまう。

被告の言っていることは、安倍晋三が言っていること、トランプが言っていること、自民党や公明党が言っていることと同じである。

メディアは踏み込んで被告を断罪すべきである。自民党や公明に投票する人間は、心において(霊において)被告と同罪である。

1月24日の横浜地裁第8回公判では、弁護人による被告質問があった。産経新聞のウェブサイトに、その詳しい傍聴記録があるので、以下に引用し、補足説明する。
   ☆   ☆   ☆
 弁護人「今、あなたはどこにいるか分かりますか」
 被告人「分かります」
 弁護人「どこですか」
 被告人「裁判所です」
 弁護人「なんの裁判ですか」
 被告人「障害者を殺傷した事件についてです」
 弁護人「あなたのしたことに間違いはありませんか」
 被告人「間違いありません」
 弁護人「その前に、この裁判について、弁護側がどのような主張をしているか知っていますか」
 被告人「心神喪失、心神耗弱(こうじゃく)による無罪を主張しています」
 弁護人「そのことについて、あなたはどう思いますか」
 植松被告「自分は心神喪失ではないと思っています」
 弁護人「正しい考えに基づいて行動したということですか」
 被告人「はい」
   ☆   ☆   ☆
弁護人は、被告が精神異常であることを立証しようと、被告人質問を続けたが、被告の主張は日本社会のどこにでも見られる「弱者に対するヘイト」である。
被告が殺傷行為をしたときと、考えを変えていなければ、当時、心神喪失でも、心神耗弱でもない。罪を犯すことで高揚していただけである。
   ☆   ☆   ☆
 弁護人「トランプ大統領をどう思いますか」
 被告人「勇気を持って真実を話していると思います。メキシコとの国境に壁をつくるというのも、いいことかどうかは分かりませんが、メキシコのマフィアはとても怖いのは事実です」
 弁護人「真実を話しているというのは…」
 被告人「かっこよく生きていると思います。すべてかっこいいと思いました。かっこいいからお金持ちなのだと思います」
 弁護人「そのトランプ大統領は重度障害者を殺していいと言ってますか」
 被告人「いえ、それは私が気付いた真実だと思います」
   ☆   ☆   ☆
トランプの主張をそのまま受け入れているのではなく、ポリティカル・コレクトネス(PC)に反対していること、すなわち、弱者に媚びないことを、被告人は評価しているのだ。まさに保守本流の考えかただ。
   ☆   ☆   ☆
 弁護人「意思疎通が取れない人はなぜ安楽死しなければならないのでしょう」
 被告人「無理心中、介護殺人、社会保障費、難民などで多くの問題を引き起こす元になっているからです」
   ☆   ☆   ☆
被告の言う「安楽死」は「苦しめずに殺害する」ことで、競馬の馬が骨折すると、人間が日常的にやっていることである。人間が人間にたいしても、75年前には「優生学」や「国民共同体」思想のもとに、「安楽死」を行っていた。ここでは、本人の生きたいという意思が無視されている。
   ☆   ☆   ☆
 弁護人「重度障害者にも親、兄弟がいます。その人たちの気持ちを考えたことはありますか」
 被告人「自分の子供を守りたいという気持ちはわかりますが、受け入れることはできません。なぜなら、自分の金と時間を使って面倒を見ることができないからです。彼らの生活は国から支給される金で成り立っており、家族の金ではありません」
 弁護人「それでも、愛情をもって接している家族もいるんですよ」
 被告人「気持ちはわかりますが、他人の金と時間を奪っている限り、守ってはいけないと思います」
   ☆   ☆   ☆
 被告人「安楽死には家族の同意があればいいと思っていましたが、できない人もいると思いました。本人は意思疎通が取れないので必要ありません。問題は家族の同意です。愛している家族はきっと同意できないと思います。でも、金と時間を支給されている限り、それは違うと思うんです」
 弁護人「家族が愛していても死ぬべきだということですか」
 被告人「その通りです」
 弁護人「ヒトラーの影響はありますか」
 被告人「ありません。安楽死のことを思いついてから、ヒトラーのことを知ったからです。ユダヤ人の虐殺は有名ですが、障害者のことは知りませんでした。障害者を虐殺するだけなら間違っていなかったと思います。ただ、虐殺した障害者の中に軽度の方が含まれていたらそれは間違っていたのかもしれませんが…」
   ☆   ☆   ☆
 弁護人「安楽死を認めると世の中はどうなると思いますか」
 被告人「生き生きと働ける社会になると思います。仕事をしないから動けなくなり、ボケてしまうと思います。仕事をすることが重要です」
 被告人「働けない人を守るから、働かない人が生まれるんだと思います。国から支給された金で生活するのは間違っています」
 被告人「日本が借金だらけで、財政が苦しいことを知ったからです。お金が欲しくて、世界情勢を調べるようになりました。そうしたら、テレビやインターネットで国の借金のことを知ったんです。安楽死させると、借金を減らせると思いました」
   ☆   ☆   ☆
まさに、安倍晋三や自民党が言っていること、「一億総活躍」や「自助の原則」と同じではないか。
   ☆   ☆   ☆
 弁護人「(重度障害者を殺害すると)事件前、何人ぐらいの人に話したのですか」
 被告人「50人ぐらいはいたかと思います。半分以上の方に同意や、理解をしていただいたと思います」
 弁護人「それは、どういう反応をみて?」
 被告人「一番笑いが取れたからです。真実から笑いが起きたと思っています」
   ☆   ☆   ☆
被告の言っていることは、本当だと思う。日本社会の現状はこんなものである。
検察の調書では、少数だが、被告の発言から危険を察知して、津久井やまゆり園に連絡し人々がいる。これを無視した園側にも本件の責任があると思う。
   ☆   ☆   ☆
 弁護人「少し繰り返しになるが、あなた以外の人から事件について『こうしろ』と言われたことは」
 被告人「ありません」
   ☆   ☆   ☆
この質問は、被告に幻聴があったという言葉を弁護人が求めてのものである。
   ☆   ☆   ☆
 弁護人「あなたは何かほしいものがありましたか」
 被告人「お金です」
 弁護人「お金を得るためには何をすればいいですか」
 被告人「人の役に立つか、人を殺すかです」
 弁護人「殺すとはどういう意味ですか」
 被告人「詐欺をしたり、覚醒剤を売ったり、安い賃金で働かせたりすることです」
 弁護人「安い賃金で働かせるというのはどういう意味ですか」
 被告人「正当な報酬ではないということ。搾取するということです」
   ☆   ☆   ☆
 弁護人「環境については」
 被告人「深刻な環境破壊による温暖化防止のために、遺体を肥料にする森林再生計画に賛同します」
 弁護人「遺体とは」
 被告人「人間の遺体です。捕まってから考えました」
 弁護人「人間の死体をこういうことに使うのは…人間であればよいのですか」
 被告人「はい」
   ☆   ☆   ☆
東日本では土葬という習慣もあり、「遺体を肥料にする森林再生計画」だけで、被告が精神異常だとは言えない。弁護人は、被告に異常な死体愛好があるという裏付けのために、この質問をしたのだと思う。

被告は、思想信条にもとづく確信犯で、正面切って弾劾すべきである。明日から始まる、検察によるレベルの高い被告人質問に期待したい。


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