(ドイツ議会で演説するゼレンスキー大統領)
ロシア軍のウクライナ侵攻が3週間たってもまだ続いている。日本軍の中国侵攻は1937年に始まったのだから、日本の敗戦まで8年続いたことになる。
ロシア政府は、ウクライナ侵攻といわず特別軍事作戦といっているようだ。当時の日本政府も日中戦争といわず、支那事変を正式の呼称とした。どうも、日本政府は中国を国と認めていなかったから、宣戦布告もなく、他国を攻めているという意識がなかったようだ。
戦闘が長く続いたということは、中国の人びとに自分の国、自分たちの政府、自分たちの軍隊という意識があったということと、軍事支援する国々があったことだ。
日本軍の中国侵攻が8年で終わったことは、日本政府が戦線を世界に拡大し、敗戦したからである。もう一つの要因は、昭和天皇が無条件降伏をしても、自分の位置は変わらないという思いがあったからではないか。責任をすべて大日本帝国陸軍に押しつけて、自分や天皇制は生き残るという思い込みがあったからではないか。残念ながら昭和天皇の読みは正しかったようだ。
今回のロシア軍のウクライナ侵攻は、アメリカが事前にそれを知っていながら、アメリカがそれに反撃する用意があるとロシアに警告しなかったことにある。そして、いまも、アメリカ軍の派遣をバイデン大統領は否定している。アメリカが参戦すれば、ウクライナの軍事侵攻はただちに終わるだろう。
かつてアメリカが天皇制に手を付けず、昭和天皇を退位させなかったように、プーチンを戦争犯罪人として裁かなければ、すなわち、ロシア大統領の位置を不問にすれば、第3次世界大戦にならずに、核戦争にならずに、すぐ、軍事侵攻は終わるだろう。
戦後、日本は非武装中立の憲法もった。ところが、非武装中立の憲法をもっているにもかかわらず、1950年に朝鮮戦争が始まると警察予備隊が編成され、日本はアメリカ軍の後衛部隊に編制された。日本は中立ではなかったのである。ウィキペディアによれば、「日本は、朝鮮出撃の基地となったほか、掃海部隊の派遣、占領軍労働者による兵員物資輸送、各種労働者の韓国派遣、従軍看護婦の召集など、戦争に対する橋頭堡の役割を果たし、多数の日本人が直接戦場に派遣され、少なからぬ犠牲者も出た」のである。
日本は、アメリカに占領されていたから、日本国憲法の非武装中立を踏みにじって、アメリカの忠犬になっていたことも、ある程度しかたがないことだろう。がまん、がまん。しかし、いつまで我慢すれば良いのだろうか。
日本には、1945年の敗戦から、アメリカ軍の基地がある。1965年から1975年までつづいたアメリカとベトナムの戦争のとき、アメリカ軍は日本のアメリカ軍の基地から出撃した。同じことはアメリカとアフガニスタンと戦争、アメリカとイラクの戦争のときも、日本のアメリカ軍基地からアメリカ軍が出撃した。
数年前に日本政府はみんなの税金を使って高価な対ミサイル警戒システムを設置しようとした。当時の防衛大臣の河野太郎が反対したから設置とりやめになったが、日本の防空システムとして機能せず、アメリカ本土を守るためのものだった。
日本国憲法第9条の非武装中立の精神を踏みにじりながら、日本政府はアメリカ軍の軍事活動をサポートしてきた。それなのに、いまになって日本政府は、どうして、ウクライナへの支援が軍事支援と思われるのを極度に恐れるのか。
ウクライナは、ソヴィエト連邦が崩壊するまでは、アメリカ、ロシアにつぐ核兵器が配置されていた連邦内の共和国であった。工業国であった。最近のテレビ解説で知ったのだが、ウクライナ共和国が1991年に独立したときに、アメリカ、イギリス、ロシアがウクライナの安全を保障することを条件に、ウクライナは核を放棄したという。この国際的約束はどうなったのか。
2014年のロシアのクリミア併合をまのあたりに見て、ウクライナ政府は、NATOやアメリカの支援を受けてウクライナ軍を強化したとのことだ。しかし、今回の軍事侵攻では、アメリカのバイデン大統領は、プーチン大統領を戦争犯罪人となじりながら、軍隊を派遣しようとしない。本当の平和主義者だからなのだろうか。
私は、子どもたちの間に、いじめがあったら、暴力があったら、すぐさま介入して止めることにしている。そのほうが、両者とも、精神的にも肉体的にも傷つくことが少ないからだ。
わざわざ、第3次世界大戦に仕立てることもなく、第3次世界大戦になることもないと思う。軍事侵攻を止めるために名称は平和維持部隊でもなんでもよいから軍隊を派遣すれば良いだけである。
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