猫じじいのブログ

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吉田茂、安倍晋三の国葬に怒らない日本人がいることを私は恥じる

2022-09-23 23:05:07 | 政治時評

岸田文雄は首相になって、1年もたっていない。自民党総裁になったのは昨年の9月29日、内閣総理大臣に指名されたのはそして10月4日である。

総裁選では、彼は手帳を取り出してみんな声を聞いて書きとめていると言った。新自由主義を脱却し、「新しい資本主義」を目ざすと約束した。そして、1年もたたないうちに「新しい資本主義」が「資産倍増計画」にする変わった。

岸田は、ことしの2月26日のロシア軍のウクライナ侵攻とともに、原発推進に大きく舵を切った。ウクライナの原発がロシア軍の軍事的ターゲットになっているにも関わらずだ。プーチンは、ヨーロッパがウクライナに軍事支援すれば、いつでもウクライナの原発を破壊し、核汚染をもたらすとほのめかしている。

7月10日の安倍晋三殺害事件では、岸田はいち早く安倍の国葬を決めた。来週、55年前の吉田茂以来の国葬を武道館で行う。武道館のまえに、棺の列は防衛庁に寄り、自衛隊の儀礼を受けるという。

今回の国葬で、岸田は、吉田、安倍の継承者を名のるわけである。すなわち、保守本流を称するわけだが、この保守とは、大企業の経営者が好き勝手をできる社会を守るものにすぎない。

英語も話せた吉田は、降伏直後には外務大臣を務め、連合国最高司令官(マッカーサー)との主席連絡担当官でもあったが、1946年から47年にかけて連立内閣を組織した。1948年後半から1954年まで政権を維持した。

ジョン・ダワーの『敗北を抱きしめて』(岩波書店)に吉田茂とはどんな人かが書かれている。

<(吉田は)そもそも日本を民主化できる可能性はないと言ってのけた。吉田の典型的にエリート的な表現によると、日本人には本物の自治を行う能力はない、そうでもないなどと言う者は、民族的な誇りのせいで目が見えなくなっているか、左翼の宣伝に酔わされているか、どちらかである。>

<「自分(吉田)の心のなかにいつも1つの考え方があった」からである。「それは、(占領下の改革の)見直しを必要とすることは日本が独立した後に見直せるはずだという思いであった。しかし一度決まってしまったものを再び変えることはそうたやすいことではなかった。」>

安倍も「戦後レジーム(民主化)の脱却」を唱えて、長期政権を維持した。

欧米の日本専門家はこれを受けて、保守本流を支える日本人を「従順な家畜の群れ」と呼んでいる。バカにすれどたたえることはない。欧米の保守とは個人主義のことである。

今回、「弔問外交」と岸田はいうが、世界の影響力ある首脳は安倍の国葬に参加しない。

こういう国民をバカにし、民主化を逆行させる吉田、安倍、岸田の保守本流の政権が日本で続くことに私は恥じる。



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