「ペンは剣よりも強し」という言葉は19世紀のイギリス戯曲が最初らしい。この「ペン」を、「言論」と理解するか、「サイン(署名)」と理解するか、「書物」と理解するかによって、意味が変わる。
もとのイギリス戯曲では、「サイン」の意味で、「法の下での権威」を意味した。
これが、「言論の普及は暴力に打ち勝つ」という意味に、現在、使われている。
しかし、「書物」と受け取ると、また、意味が変わってくる。
「暴力は歴史を作るが、書物は歴史を書き換える」とも、理解できる。
「万世一系」というとき、「天皇」という言葉は昔からあったと考えられがちである。実際には、「天皇」は「日本書記」の作者の造語で、中国の「皇帝」に対抗するためのものだった。古くは「スメラミコト」、「オオキミ」が、ついで「ミカド」、「ダイリ」が使われていた。
明治にはいり、日本書記の「天皇」という表現が復活し、「天皇」または「皇帝」が使われた。1936年になって「天皇」に統一された。ただし、呼びかけるときは、「天皇」というのではなく、「閣下」と呼ぶのが慣例である。「天皇」は役割に関する名称であり、呼び名としては使わない。
「日本書記」に書いてあることが、いつの間にか、日本の正史になってしまった。
私は、歴史の改ざんを、支配者の劣等感のあらわれと、思う。
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