猫じじいのブログ

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「こころの不調」は誰にでも起きうるが、薬だけでは治せない

2022-10-11 22:13:28 | こころの病(やまい)

きのう、NHKで「こころの不調」という言葉を使っていた。「こころの不調」は誰にでも起きうることだと言っていた。

「こころの不調」は“mental disorders”の訳である。辞書によっては、これを「精神障害」と訳する。英語では「障害」には“disabilities”を使う。「精神障害」の訳は適切だと思わない。

「不調」は「障害」と違って、治る、あるいは、治るかもしれないというニュアンスがある。

アメリカの精神科医の団体American Psychiatric Associationは、有名なDSMを出版しつづけている。このDSMはDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disordersの略である。

DSMの第5版の翻訳を医学書院が出版したとき、本のタイトルのDSMを「精神疾患の診断・統計マニュアル」と訳した。“mental disorders”を「精神疾患」と訳したわけである。

「精神障害」より「精神疾患」のほうがましだが、誰でもかかりうるという意味で、「精神疾患」より「こころの不調」が好ましい。

この話をしたのは、きょう、むかし担当した女の子(23歳)に急激な「こころの不調」が起きたというメールが、現在、担当している善意の人から届いたからである。「日中に手が震えてしまい頓服薬を飲んで抑えている、仕事に行けない」という内容のメールを受け取ったからである。

「SNSのグループ内のトラブルに巻き込まれてしまった。自分に直接関係ない話だが、ツイートにひどいことが書かれていて、やってらんねえな、と思った」ことが、発端だというが、SNSのグループから抜けられないらしい。

彼女は小学校高学年のとき、そして、中学校のとき、いじめにあっている。中学校のとき、幻聴が起きるほどのいじめにあった。当時学校側がとった解決策は普通級から支援級に移すことだった。そのまま、特別支援学校高等部に進学した。卒業したとき、美大に行きたかったが、特別支援学校では高卒の資格がなく、不本意ながら障害者枠で単純労働の職についた。

彼女はとても賢い子である。自己を分析できる。考える子である。

SNSグループから抜けられないのは、自分の感じたこと思ったことを普通に話せるリアルの友だちがいないからだと思う。薬をずっと飲み続けていても、こころの孤独の問題は解決できない。そして、「こころの不調」を再発する。



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