“ゆうがお【夕顔】(夕に花を開いて朝しぼむからいう):
ウリ科の蔓性一年草。ヒョウタンはこの変種。熱帯原産。茎・葉に粗毛を有し、葉は腎臓形、つけ根に巻鬚(まきひげ)がある。
夏の夜に白色の合弁花を開き、果実は長楕円形か球形で大きい。
食用とし、また、干瓢(かんぴょう)に製する。火鉢・置物などにも用いる。”
ー 広辞苑より
最近になって、ユウガオの花が、アサガオ・ヒルガオ・ヨルガオなどのヒルガオ科とは違う
ウリ科の植物だと言うことを知りました。
ヒルガオ科 は双子葉植物の科で、ヒルガオ、アサガオ、サツマイモなどを含みます。
ウリ科は、ほとんどが巻きひげをもつつる性の草本からなります。
ウリ科の植物の多くは熱帯に分布し、人類の歴史上最も古い作物を含みます。
キュウリ、スイカ、カボチャ、ヒョウタン、ヘチマ、トウガン、テッポウウリ、ユウガオ、ニガウリ、メロンなど
多くの種が古くから果菜や果物として栽培されてきました。
なぜ、急に「ユウガオ」の花の話をするかと言いますと
この頃わが家のベランダで育てているカボチャの花が「ユウガオ」と似ていることから調べてみたくなったのと
「源氏物語」の中に出てくる有名な女性の名が、「夕顔(ユウガオ)」であり
白くて、夕に花を開いて朝しぼむというこの花と
「夕顔」という薄幸の女性とが、あまりにぴったりとしたイメージなので
取り上げてみたかったのです。
ちなみに我が家のベランダで育てているカボチャの花はこちらです。
色は違いますが、形は似ています。
ここで「源氏物語」に触れてみたくなりました。
“夕顔(ゆうがお)とは、
1.『源氏物語』五十四帖の巻の一つ。第4帖。
2.『源氏物語』に登場する作中人物の女性の通称。「常夏(ナデシコの古名)の女」とも呼ばれる。
夕顔の人物像
三位中将の娘で、頭中将の側室と言う立場にあったが、その後市井にまぎれて暮らしている。若い光源氏の愛人となるも、互いに素性を明かさぬまま、幼い娘を残して若死にする。
父の死後、頭中将(当時は少将)と結ばれて一女(後の玉鬘)をもうけるが、本妻の嫉妬を恐れて姿を消した。「帚木」巻で語られた「雨夜の品定め」で、「常夏の女」として名前が出てくるがその時は聞き流される。
登場する回数こそ少ないものの、佳人薄命を絵に描いたような悲劇的な最後が印象に残る女性。儚げながら可憐で朗らかな性格で、源氏は短い間であったが彼女にのめりこみ、死後も面影を追う。
後には彼女の娘の玉鬘が登場し、物語に色を添える。『源氏物語』がまだ断片的な短編恋愛小説だった頃から登場していたヒロインの一人だろうと言われる。
[編集] あらすじ
源氏17歳夏から10月。従者惟光の母親でもある乳母の見舞いの折、隣の垣根に咲くユウガオの花に目を留めた源氏が取りにやらせたところ、邸の住人が和歌で返答する。市井の女とも思えない教養に興味を持った源氏は、身分を隠して彼女のもとに通うようになった。
あるとき、逢引の舞台として寂れた某院(なにがしのいん、源融の旧邸六条河原院がモデルとされる)に夕顔を連れ込んだ源氏であったが、深夜に女性の霊(六条御息所とも言われるが不明)が現れて恨み言を言う怪異にあう。夕顔はそのまま人事不省に陥り、明け方に息を引き取った。”
ー 以上ウィキペディアより
源氏物語には、夕顔とか空蝉、朧月夜、花散里など、華麗で雅やかな名の女性が多く登場しますが
後世の人が記した名で、作者である紫式部がつけたものではないということです。
紫式部という名も、物語のヒロイン「紫の上」があまりにも有名になったので
源氏物語の作者にふさわしいペンネームということで
これも後世の人がつけたのではとされています。
紫式部については、越後守藤原為時の娘で、母は摂津守藤原為信女。
女房名は「藤式部」。藤は、父が藤原の性であったこと。
後世つけられた「紫」の称は先に記した『源氏物語』の作中人物「紫の上」に、
「式部」は父が式部大丞だったことに由来します。
源氏物語については、いろいろと書きたいのですが
昨夜のニュースで
勝海舟が源氏物語、写本に押印という興味深いニュースが流れました。
朝日新聞に詳しく報じられていますね。こちらです。
今、大河ドラマで「篤姫」が放送され
勝海舟も登場、これからますます活躍しますので、よけいに世間でも取りだたされることになるでしょうが、
いずれにしても興味深いニュースです。
「篤姫」つながりの話題で思い出したのですが
“篤姫は、大の犬好きで、とくに「狆」が好きで嫁ぐまで飼っていたこと。
嫁いだ先の家定公は、犬の臭いが苦手だったことから、猫を飼って「サト姫」とつけていたこと。”ー以上ウィキペディアより。
これはテレビドラマでは登場しませんが・・・。
「源氏物語」に登場する源氏の二人目の正室、女三宮も唐猫を飼っていました。
源氏の息子(源氏と最初の正室、葵の上の間に出来た子)である夕霧の友人であり
ライバルでもある柏木衛門督頭中将(内大臣の長男)が
女三宮の腹違いの姉、落葉の宮を妻に得た一方(御上からの命令による)、
かねて憧れた女三宮を垣間見て以来、恋情やみがたく、
その飼い猫を得て自分を慰めたものの、光源氏の留守に侍女に迫り手引きさせてしまいます。
見たこともない高貴な身分の女性に恋いこがれるという時代で(現代では考えられませんが)
女三宮が飼っていた猫の仕業で御簾がまくり上げられ
蹴鞠に興じていた貴公子達(この中に柏木衛門督頭中将もいた)から、
女三宮のすがたが見えてしまいます。
庭に飛び出した猫を柏木衛門督頭中将(以下、略して柏木)は、わがものとして
慰めますが、
ついに我が身を抑えきれず、女三宮の侍女を通じて、女三宮と密会してしまいます。
猫が介した不祥事・・・
なんとも雅やかで洒落ていて、ちょっと怪しげな「源氏物語」にふさわしい~
しかもこのたった一度の密会で、二人の間に男の子が出来てしまいます。
このことを知った源氏に「世の無常」を痛感させ、
源氏物語の「宇治十帖」の主人公、薫の登場となります。
最期は、“猫”で締めくくってしまいました。
「源氏物語」のことはもっと語りたいのですが、それは後日・・・。
以前に、桜の花を見て「源氏物語」を思い起こした記事を書いていました。こちらです。