悠山人の新古今

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066 あれほどにもて

2005-09-26 03:05:00 | 新古今集

 「絶世の美女」と今に伝えられる女性。その彼女にも、先にも述べたような、容赦のない冥府の使者が近づく。
 巻第八哀傷歌(あいしょうのうた)は、0757から0856まで。平仮名現代詠は初の試み。
【略注】○浅緑=霞の色とされる。春霞も月夜の霞も、そしてここでは荼毘(だび)の霞も
    浅緑色に描写される。
    ○野べの霞=霞のように広がる野辺送りの煙。岩波版には「昇霞」の語の引用が
    ある。
    ○小野小町=生没年・閲歴ともに不詳。平安前期の歌人。小野良真(または良実)
    の娘、小野篁(たかむら)の娘(または孫)など、出自も諸説。「絶世の美女で歌才に
    も恵まれていた。」(日本図書センター版『日本女性人名辞典』) 詠歌は、当時の超
    一流貴族たちとの恋歌の贈答を中心に、約200首が残る。謎に包まれた「恋の歌人
    (うたびと)」。
【補説】哀傷歌。「『万葉集』の挽歌(ばんか)にあたり、人の死を悲しみ嘆く歌をいう。〈哀傷
    歌〉という言葉は、『万葉集』にも見え」る。「勅撰和歌集の部立用語としては『古今集』
    の巻第十六に配されたのが最初。」(小学版)


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