■九月十三日の夜の月、と伝わるところから、名月としてみる。
【略注】○憂き身=「辛い身。悲しいことの多い身。」(小学版) 「物思いの絶えない
この身」(岩波版)。 「この不運の身」(新潮版)。
○心に曇る=「雲ではなく、晴れぬ心ゆえに涙で曇る意。」(岩波版) 「哀感
の涙で目に曇り」(小学版)。
○慈円=悠 002 既出。
【補説】「秋の夜の月」 この前後で使われている作品を調べてみた。(「~」部分)
0375 人だのめなる~(俊成の娘)
0385 しのぶの里の~(橘為中)
0390 うらみな果てそ~(慈円)
0403 ~やをじまの(家隆)
0404 心に曇る~(慈円)
0407 ~待つほど(源扶義の娘)
0415 幾夜かは見ん~(大輔)
0417 思ひも入れじ~(式子)