悠山人の新古今

日本初→新古今集選、紫式部集全、和泉式部集全、各現代詠完了!
新領域→短歌写真&俳句写真!
日本初→源氏歌集全完了!

121 宮中の昔の

2005-12-10 05:35:00 | 新古今集

 若い頃の宮勤めは、名月を見るのも胸おどらせたものだ。でも今となっては、あと何年この月を見なければならないのかしら、という老い先だけが気になってしまう。男にちやほやされなくなった寂しさ、とも読める。
 ひらかなy120:きゅうちゅうの むかしのつきを おもいだし
          なみだにくもる これからのひび
 ひらかなs1510:むかしみし くもゐをめぐる あきのつき
          いまいくとせか そでにやどさん
【略注】○雲居=雲の中。月に掛ける。転じて宮中。
    ○袖に宿さん=「昔」「いま」の対比から、「袖」は懐旧の涙。「宿す」は「雲居」「月」
    の縁語であり、「袖」との縁語として「涙を宿す」の意。
    ○讃岐=二条院讃岐が通用。源頼政の娘。二条天皇に仕えたあと、藤原重頼の
    妻。のち出家・隠棲。喜寿ごろまでの長命。16首入集。


最新の画像もっと見る