海辺から急坂を登った所に
野原がひらける
その中央に聳える
竪穴住居の骨組が
濃霧の中たたずむ
誰も見わたらない中
ボランティアの人が
気の毒に思ってか
良かったら
説明しましょうと・・・
年配のおじさん
これ幸いとよろしくお願いすれば
どこからか4.5人集まり
歴史環境を話し始めた
穀物を砕いた切り石が無造作に
無数おいてある所から
舟形竪穴住居の前に案内
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地中2mを超える
深く掘り下げた空間に
炉があり墓もあり
ここでの生活をるる説明
縄文の世界に引き込まれる
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自然の中から必要に応じた
食料だけを調達する
狩猟採取型の生き方がこの環境で
よく理解できる
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大規模集落跡、盛り土遺構
竪穴住居の復元、胡桃の木など
環境の再現が図られ
千年を超える歴史を物語る
古代人になったかの様な
錯覚を覚え
彼方の太平洋海原を眺めたが
もやに邪魔され
胡桃の木が寂しく揺れていた