場末の雑文置き場

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「天使とアクト!!」第1巻~第4巻感想

2015年12月19日 | 漫画・アニメ

サンデー本誌でも読んでるけど、単行本も出たら買ってしまう程度には好きな漫画。同じ作者の前作「國崎出雲の事情」より面白いと思う。……まあ今のところは。今後どうなるかわからないけど。

前作は、序盤はそうでもなかったけど、話が進んでくるとみんな主人公のことが大好きになって、主人公至上主義みたいな空気になるんだよな。それが苦手で。ブランクありだけど天才だから戻ってきてすぐ名演技ができる、っていうのも鼻についた。
どちらかと言うと、加賀人のほうが応援したくなるキャラだったな。加賀人以外のメインキャラはみんな梨園の御曹司で、結局、血筋が大事なのかなってモヤモヤさせられた。

今回の主人公、アクトはかなり個性的で好き。偉そうで他人を見下していても、根は真面目な努力家だし。邪悪な表情やひどい罵倒語も、主人公っぽくなくてイイ。
幼児相手にムキになるガキっぽさや、身近にいる女の子がどんなに可愛かろうが全く意識しないストイックさも好きだ。恋愛展開はナシの方向にして、最後までストイックでいて欲しいけど、無理なんだろうなあ。今でも恋愛展開の片鱗は見え始めてるし。

前作と一番変わった点は、女性キャラの扱いかな。前作では出雲を霞ませないようにするためか、女性キャラの出番が明らかに抑えられてたんだよな。出雲の幼なじみの女の子も、序盤はちょくちょく出ていたのに段々出なくなっていったし。
今回は女の子の出番も多いし、二人ともちゃんとキャラが立っている。特に天央ちゃんは可愛い。なりが中学生で大人気声優っていうのはあり得なさすぎて、その点はちょっと気にはなるけど。

でも一番好きなところは主人公のキャラとか女の子が可愛いとかそういうところじゃなくて、声優の仕事についての描写かな。全体的にギャグテイストだけど、声だけで演じることの難しさなんかについては真面目にしっかりと描かれている。私はアニメをあまり見ないけど、そういう人でも「お芝居物」として楽しめる。
オーディションの様子もきちんと描写してくれるのがいい。役の解釈についての話が出てきて、同じ台詞でも感情の乗せ方によって受け手の印象が180度変わってしまうっていう話も面白い。

あとは、主人公が急にスターになったりしないところかな。ちゃんと養成所からのスタートで、鍛錬の過程をちゃんと描いてる。
アクトは本当に必死に、がむしゃらに努力しているし、挫折もするし、態度は悪いけど応援したくなる。


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