場末の雑文置き場

好きなことを、好きなときに、好き勝手に書いている自己満ブログ。

被害者を追い詰める日本の空気

2015年02月01日 | 政治・社会

後藤さんが、どうやら殺害されてしまったらしい。
とても残念だ。せめてムアーズ・カサースベ中尉は無事でいてほしい。それも難しいかもしれないけど。

そして湯川さん、後藤さんのご家族を中傷したり非難したりするのはやめてほしいな。そっとしておいてほしい。この間も湯川さんのお父さんが謝罪してたけど、被害者が謝罪しなきゃならない社会なんておかしいよ。

こういうとき、被害者を「迷惑」だと言って追い詰めるような空気は確実に日本に存在する。私の職場にも、そういう人たちはいる。

昼休みに、私の近くの席にいる二人がこの話をしていた。無駄に声が大きいので、聞きたくなくても耳に入ってきた。
笑いながら後藤さんのことを「バカだね~」と言っていて、それだけで十分不快だったんだけど「覚悟して言ったくせにまだ生きようとするなんて図々しい、さっさと死ねばいいのに」とか「迷惑だ」などと言っていた。
ネットじゃなくて現実世界で堂々とこんなことを言う人がいるんだ、と驚いた。危険だとわかって行ったんだから自分が悪い、仕方ないくらいのことを言う人ならよくいるけど、そこまで言うのはいくらこの国でも普通じゃない。
大体、なにが迷惑なのか。なにも影響されずにぬくぬくと生きてるくせに。
もともと好感を持っていなかった人たちだけど、今後もこの二人には関わらないようにしようと固く決意した。

デヴィ夫人が後藤さんに「自決してほしい」とブログに書いていたのも見た。後藤さんは日本や、 ヨルダン、 関係諸国に大・大・大・大迷惑をかけていて、母親は謝罪するべきだとも。そして昔の自分がいかに勇敢だったか、という自慢めいたことも書いていて、本当に下品だと思った。

だったらあなたはなんでまだ生きてるの? インドネシアの人たちに迷惑をかけたという自覚はないの? インドネシア国民から搾取したお金でさんざん贅沢をして。インドネシアを捨てて逃げ帰って。
もしかして、後藤さんは庶民で自分は大統領の妻だから命の価値が違うとでも思ってるの?

そしてデヴィ夫人ブログの内容自体よりももっと残念なのは、こんな意見を「正論だ」と言って褒め称える人が少なくなかったこと。基本実名のFBでも、「いいね」した人が1万人以上いたとか。

安倍総理を批判することに対する、一部の人たちの拒否反応の強さも気になる。
今は非常事態だからそんなことを言うべきでない? 第二次世界大戦中みたいな翼賛体制がお望みなのかな?
安倍は人質救出のために全力を尽くしたと言っていたけど、私はそれは相当怪しいと思っている。無駄に相手を刺激するようなこともしていたし、安倍の責任は大きい。
権力に対する批判は必要だよ。黙認すると暴走するから。


(追記)
ムアーズ・カサースベ中尉も殺害されていたみたいね。それも随分前に。
殺害方法を聞いて、とてもショックだった。動画は結構出回ってるらしいけど絶対に見ない。
こんなふうに人の命を弄んで、酷い奴らだと思うよ。
でも、一番悪いのは彼らだという理屈で日本政府への批判を封じ込めるのは、やっぱり間違ってる。


この記事についてブログを書く
« 「逆転裁判」感想 | トップ | 「美少女戦士セーラームーン... »

政治・社会」カテゴリの最新記事